Intelが、「IT 2016-2017年パフォーマンス・レポート」を公開している。2017年のレポートは、自社技術を用いたデジタル変革によって、いかに業務が改善されているかを紹介するものになっている。
レポートでは、機械学習の活用を中心に紹介しており、全社的に予測的アナリティクスを導入したことによって、6億5600万ドル相当の事業価値を創出したと強調している。それに加え、製品の設計段階で機械学習を利用することで、製品化にかかる時間を39週間短縮したという。同社はまた、分散的に配置されているサーバを利用して、サーバの更新費用を最大65%削減し、年間約100万ドルの経費節減になっていると述べている。さらに協調作業用ソフトウェア「Unite」を使用して、従業員の業務時間を5万人時削減した。
Intel IT部門のマーケティングおよびカスタマーエクスペリエンス担当最高技術責任者(CTO)Burges Karkaria氏は、「IAなしでは、『デジタル変革』はあり得ない」と述べている。人工知能(AI)とIntelアーキテクチャ(IA)を掛けたジョークだ。
同氏は「AIを生かすにはIAが最適」というキャッチフレーズも使っている。
Karkaria氏は、「わが社は未来のデジタル変革を形作る製品を作っているが、同時にIntel社内のデジタル変革も進めている。われわれIT部門は、事業の継続について中核的な責任を負っているが、Intel社内では、アーリーアダプターとして、Intelの技術を実際に利用していく責任も負っている」と述べている。
IntelのIT部門が抱えているニーズは、他のあらゆる企業が抱えている課題と共通している。それは増えない予算で、増え続けるコンピューティングとストレージに対するニーズを満たすことだ。同社には18万5000台のサーバがあり、183ペタバイトのストレージを持っている。
Karkaria氏によれば、Intelは何年も前にビッグデータへの投資を始めて以降、予測的アナリティクスで6億5600万ドル相当の事業価値を創出したという。同氏はIntelはClouderaベースのビッグデータスタックを使用していると述べたが、他のベンダーの名前を挙げることは避けた。Intelは機械学習とディープラーニングをベースに開発された専用の技術を数多く利用している。