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山谷剛史の「中国ビジネス四方山話」

中国のニュースSNSアプリ「今日頭条」人気の理由

山谷剛史

2017-06-13 15:11

 中国で、最もクラシックなニュース系アプリジャンルにおいて、「今日頭条(ジンリートウティアオ)」というアプリが台頭している。最近のスマートフォンを購入すると、このアプリがプリインストールされていることが多い。

 中国では、老舗の大手ポータルサイト「新浪(Sina)」「捜狐(SOHU)」「網易(NetEase)」や検索サイトの「百度(Baidu)」がそれぞれニュースに限定したアプリを出しているし、またチャットソフト「微信(WeChat)」もまた標準でついてくるニュースアカウントが頻繁に最新ニュースを配信する。

 こうしたニュースアプリがあり、それぞれ一定数昔からの支持者がアプリを利用していたにも関わらず、今日頭条は、それらを追い抜きニュース系アプリの定番になろうとしている。いったい今日頭条の何が魅力的なのだろうか。

 今日頭条はニュース系アプリと書いたが、正確にはまとめニュース系SNSアプリといったほうが正しい。利用者は例えば「今をときめくアリババ馬雲CEOの名刺の変遷まとめ」といったまとめ記事を執筆することができるほか、中国の新聞社もアカウントを持ち記事を投稿している。個人がニュースを発表するのは中国ではNGだが、アプリが同ジャンルの許可された新聞社のニュースと個人の書き込みをSNSアプリ扱いで一緒に出すことはNGではないのだ。

 今日頭条の最大の特徴は利用者の趣向に合わせた記事を自動配信するという点だ。微信などのSNSと紐づけて登録すると、趣味趣向が分析されて過去のスマートフォンで起こしたアクションに関連するニュースを中心に配信される。加えてプロフィール画像が上半身なのかイラストなのか全体像なのかなどで、似たような趣味趣向があるとし、その画像情報を得て自動的に配信するニュースを選別する。

 記事にはタグ付けがされていて、そのタグをクリックすると同一タグの個人投稿記事と新聞社のニュースがごちゃ混ぜになって配信される。

 筆者が今日頭条に登録すると、筆者が頻繁に連絡を取っている友人がいる地域のニュースと、ハイテクニュースや国際ニュースなどが表示された。設定で地域を筆者在住の土地に変更し、また各種趣味趣向タグについて変更した。ハイテクニュースが多く配信される中に、ファーウェイやOPPOの広告記事も混ざって表示される。

 画面上の「科技」タグをタップするとハイテクニュースだけとなり、そこに表示されたファーウェイに関する非広告記事をタップすると、その記事には「ファーウェイ」タグがあり、タップするとファーウェイに関する記事一覧が表示される。また投稿者のアイコンをタップすれば、その投稿者が書いた記事一覧が表示される。各ニュース記事にはコメント欄があり、感想を書き込むこともできる。

 今日頭条について「適当な記事も混ざっていてニュースアプリとしての価値は低い」と辛口評価のネットユーザーの声はあるものの、これだけ人気となったのだから、大衆は趣味趣向に関する最新の文章が玉石混合だろうととにかく関心のある記事が読めるというのを評価しているのだろう。

 今日頭条は2012年に創業。2014年には年売上額が3億元、2015年には15億元、2016年には60億元と指数的に拡大。張一鳴CEOは今年の売上目標について150億元という数字を設定している。この売上額はPC全盛期の百度の収入である145億元を超す数値だ。

 また、趣味趣向にあわせて広告が表示されることから、最も多くの著名ブランドが広告投資先として今日頭条を選んでいる。PCからスマートフォンへのシフトの中で、クラシックなジャンルのアプリにも新旧主役交代が行われている。

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