IBMとHortonworksは、「Open Data Platform Initiative(ODPi)」を通じて数年前から協業関係にあったが、今回さらに提携を拡大した。サンノゼで米国時間6月13日から開催されている「2017 DataWorks Summit」の基調講演で、IBMとHortonworksは双方の特定のHadoop製品とデータサイエンス製品を販売することで複数年の合意を締結したことを発表した。
IBMは公式Hadoop製品として「Hortonworks Data Platform(HDP)」を提供し、HortonworksはHDPとともにIBMの「Data Science Experience(DSX)」を提供する。また両社はHDPと「BigSQL」を統合した新しいソリューションを開発する。これにより、IBMは既存の「BigInsights」プラットフォームのユーザーをHDPに移行する。
両社の提携は、驚きとは言えない。IBMとHortonworksは以前からODPiで協業関係にあったからだ。IBMにとってODPiはHadoop開発を省略する第一歩となった。それまでIBMはApache Hadoopと歩調を合わせて最新版を取り込むのに苦労していた。
その代わり、IBMは「Spark」でのイニシアティブを握り始め、3500人規模の開発者を投入すると約束した。もちろんWatsonで進めているコグニティブコンピューティングの開発も継続しながらだ。この動きによりIBMのHadoopへのコミットは不明確になった。IBMはビックデータ分析、Spark、Watsonコグニティブコンピューティングを強化しているが、これにはHadoopは含まれない。同時に、半ば自動巡回的にBigInsightsの開発とマーケティングを続けていた。
Hortonworksにとっては、IBMとの新たな提携は市場のリーチを拡大できることになる。また、Hadoopを超えてクラウドの中と外でのビックデータ管理、IoT、データサイエンスをサポートするプラットフォームプロバイダに向けたポジショニングが可能となり、よりターゲットを絞ったソリューションを開発できる。HortonworksがHadoopから拡大して自社を変革しようとしている以外に、ClouderaやMapRも自分たちのアピールを拡大しようとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。