アートとテクノロジ融合の歴史--「アイコン」を生み出した日本人とiPhoneの関係

増村岳史 2017年07月17日 07時00分

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 IBMが「モノ売り」ではない、ソリューションカンパニーになれた源泉は何か。

 以前、IBMやアクセンチュアなど大手IT企業やコンサルティング会社が広告会社(主にデザインカンパニー)やデザインチームを持ち企画を内製する時代であると述べた

 汎用大型コンピュータ(メインフレーム)の一大製造メーカーであったIBMが、今や社内に1500人のデザイナーを抱えるソリューションカンパニーに変貌している

 さて、このルーツはどこにあるのだろうか。

 私は、今から30年ほどさかのぼる1980年代半ばのとあることが契機となったのでは、と考える。

 Apple Computer(現:Apple)は1984年に初代マッキントッシュを発売、2年後の1986年には改良を重ねた3代目のマッキントッシュプラスが発売した。


Apple Computer マッキントッシュ

 今や懐かしい話であるが、SCSI接続のHDDを使って大規模なアプリケーションとデータを扱うことができるようになり、またAdobe PageMaker(ページメーカー)の登場で今や常識となっているDTP(デスクトップパブリッシング)が世の中に登場し、出版分野に革命をもたらした。

 当時はマッキントッシュ専用であったMicrosoft Excelがリリースされ、じわじわとパーソナルコンピュータ市場をApple Computerが進出してきた時代であった。

 なおマッキントッシュは、当時その高いデザイン性も評価されていたのは言うまでもない。

 IBMは、このApple Computerの破竹の勢いに危機感を覚えたのか、なんと美術教師を招いて社内のエンジニア200人に絵を習わせたのである。絵を描くことによって画家やデザイナーの持つクリエイティビティを学ばせ、創造的な課題解決能力を身につけさせようとしたのだ。

 それから30年以上を経た2017年現在、IBMは従業員に絵を習わせるどころか、”絵のプロ”である1500人ものデザイナーを社内で抱える会社となったのである。

 もし30年以上も前の経験がなければ、ソリューションカンパニーとしてのIBMは生まれていなかったのかもしれない。

 

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