世界最大のパブリッククラウドプロバイダーであるAmazon Web Services(AWS)を猛追するGoogleは米国時間7月13日、「Google Cloud Platform」(GCP)のロンドンリージョン(europe-west2)を新たに開設した。
Googleにとって10番目となるこのリージョンは、ベルギーに次ぐ2つ目の欧州リージョンとなる。ロンドンのGCPセンターは3つのゾーンに対して、コンピュートとビッグデータ、ストレージ、ネットワーキングサービスを提供することになる。
Googleは、この新リージョンによって英国諸島と欧州西部の顧客のネットワークパフォーマンスが大きく向上すると見込んでいる。ロンドンやダブリン、エジンバラ、アムステルダムといった都市部での同社のパフォーマンステストでは、ロンドンリージョンを使用した際、ベルギーリージョンに比べてラウンドトリップタイム(RTT)のレイテンシが40〜82%削減できたという。
またGoogleは、米国のプライバシー規制に懸念を抱いている英国や欧州連合(EU)の顧客に向け、EUのデータ保護要求に準拠することも約束している。Googleは最近、EU一般データ保護規則(GDPR)への準拠を表明している。
2018年5月25日に発効するGDPRはEUのデータ保護法と歩調を合わせたものとなっている。またGDPRは、「忘れられる権利」(個人情報の消去を要求する権利)と、自らのデータがどのように用いられているのかを知る権利、一般的なマシンで読める形式で自らの情報にアクセスする権利をユーザーに与えている。
Googleは6月にもオーストラリアとシンガポールに新たなセンターを開設している。
また、ロンドンのデータセンターはGoogleの欧州展開計画の一部であり、近くフランクフルトやオランダ、フィンランドにもデータセンターを開設する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。