編集部からのお知らせ
解説集:台頭するロボット市場のいま
解説集:データ活用で考えるデータの選び方
海外コメンタリー

グーグルのグローバル分散DB「Cloud Spanner」は何が違うのか

Andrew Brust (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-07-19 06:30

 Microsoftの初めてのグローバルな分散クラウドデータベース「Cosmos DB」の一般提供開始が発表されたのは、5月に開催されたMicrosoftの開発者向け年次イベント「Build」でのことだった。そしてその次の週に、Googleもグローバル分散データベース「Cloud Spanner」の一般提供開始を発表した。

 3大パブリッククラウドプロバイダーのうちの2社から、短期間の間に同じ分野の製品が発表されたわけだが、ここではCloud Spannerについて解説したい。ありがたいことに、今回の記事の執筆にあたり、Google Cloudの製品管理担当ディレクターであるDominic Preuss氏から説明を受けることができた。では、本題に入ろう。

競合製品との比較

 この記事ではまず、Spannerを、AmazonMicrosoftの競合するクラウドデータベースと比較してみよう。ここで行うのは、詳細な競合分析というよりは、相対的な位置づけの確認だ。

 最初に理解しておくべき点は、SpannerはオペレーショナルOLTP(オンライントランザクション処理)ワークロードを処理することを主目的としたリレーショナルデータベースであり、ACID(原子性、一貫性、独立性、永続性)の機能を完全に備えているということだ。Spannerはリレーショナルデータベースサービスの単純なスケールアップ版ではない。それは「Google Cloud SQL」の縄張りだ。Spannerはデータウェアハウスでもない。その種のワークロードには、「Google BigQuery」が用意されている。また、NoSQLデータベースでもない。GoogleのNoSQLデータベースには、「Cloud Bigtable」がある。

 Spannerが比較されるべき相手は、「結果的整合性」と呼ばれる考え方を採用したNoSQLデータベースである、Amazonの「DynamoDB」や、やはりNoSQLデータベースで、ACIDや結果的整合性、そしてその中間のものも含めて幅広い一貫性モデルを使用できる、Microsoftの「Cosmos DB」だろう。

アナリティクスの観点からの比較

 また、SpannerはOLTPに特化して設計されたリレーショナルデータベースではあるが、データベース内で実行するオペレーショナルアナリティクスにも使用できる。とすれば、SpannerはリレーショナルでACIDに完全に対応しており、オペレーショナルアナリティクスにもある程度対応している「Azure SQL Database」や「Amazon Relational Database Service」(RDS)と比較すべきだという見方もできる。

 しかし、リレーショナルでACIDであるという理由で、SpannerをAzure SQL DatabaseやAmazon RDSと比較するのは、それほど簡単ではない。なぜなら、GoogleのCloud SQLもそうだが、SQL DatabaseやRDSはオンプレミス用に作られたデータベース管理システムのクラウド版であるのに対して、Spannerはクラウドを前提に設計されているからだ。Cosmos DBとDynamoDBについても事情は同じだ。

 また、Spannerはクエリとデータの定義(テーブル等の作成)にはSQLを使用しているものの、データの操作や書き込みにはSQLを使用しない。そのかわり、「突然変異」したAPIを使用しており、その構文はオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)に似ているが、それよりもプロパティ指向になっている。この点でも、Azure SQL DBやAmazonのRDSとは異なっている。これらの理由から、単純な比較は難しい。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

Special PR

特集

CIO

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    AI導入に立ちはだかる「データ」「複雑さ」「コスト」「人材」の壁をどう乗り切ればいいのか?

  2. クラウドコンピューティング

    【IDC調査】2026年には75%のアプリがAIを実装!導入で遅れた企業はどう“逆転”すべきか?

  3. 運用管理

    経産省調査で明らかに:未だにレガシーシステムを抱える企業が8割!オープン化でよくある課題とは?

  4. 運用管理

    AWS東京リージョンの大規模障害に学ぶ、パブリッククラウド上のシステムの迅速な復旧方法

  5. windows-server

    【ユースケース】ソフトウェア開発にDell EMCインフラ+コンテナを使うメリット

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]