米国時間2月14日、Googleはリレーショナルデータベースでありながら、水平的に拡張可能で高可用性を実現した、ミッションクリティカルな用途にも利用できる分散データベースサービス「Cloud Spanner」のパブリックベータサービスを開始した。
Googleによれば、Cloud Spannerはリレーショナルデータベースのトランザクションの一貫性と、NoSQLのシンプルで水平的に拡張しやすくデータを分散管理できるという特徴の「いいとこ取り」ができるマネージドサービスだという。
同社は、Cloud Spannerの特長として次のようなポイントを挙げている。
- ハードウェアやソフトウェアの管理に時間を割く必要がなく、アプリケーションロジックに集中できる。
- 現在使用しているRDBMSソリューションを、複雑なシャーディングやクラスタリングを行わずに拡張できる
- リレーショナルデータベースからNoSQLデータベースへの移行を行わずに、水平的に拡張できるようになる
- 可用性が高く、複雑なレプリケーションやフェイルオーバーのための仕組みを用意しなくても高い耐障害性を享受できる
- データ層での暗号化、ID管理とアクセス管理、監査情報記録などのセキュリティ機能が統合されている
料金は従量制で、コンピュートノードの使用時間、実際のストレージ使用量(事前のプロビジョニングは不要)、ネットワークアクセスに応じて支払額が決定される。
また、リレーショナルデータベース環境でよく利用されている標準的なツールやプログラミング言語がサポートされており、分散トランザクション、DDLステートメント、SQLによるクエリ、JDBCドライバ、Java、Go、Python、Node.jsなどのよく使われる言語用のクライアントライブラリが使用できる。
Googleは社内でこのシステムを「AdWords」や「Google Play」などの重要システムを含め、多くのシステムで長期間にわたって実際に利用しており、毎秒数千万件のクエリを処理しているという。