Microsoftは米国時間7月21日、新たな脆弱性発見ツール「Microsoft Security Risk Detection」を発表した。このツールの目的は、脆弱性が攻撃者に悪用されないよう、その検出と除去を支援することにある。
ファジングと呼ばれる手法を用いる同ツールは、Microsoft Researchにおいて10年以上前から「Project Springfield」という名称の下で開発が続けられていた。ファジングとは、プログラムに予測不能なさまざまな種類のデータを大量に入力し、不安定な状態へと導くことで、潜在的な脆弱性を見つけ出そうとする手法だ。Microsoftは、「Windows」や「Office」製品の深刻な脆弱性を発見するために、アップデートのリリース前にこのテクノロジを活用している。
どの企業も多かれ少なかれソフトウェアを開発している昨今、Security Risk DetectionはProject Springfieldで実現された機能と同等のものを、Windowsベースのアプリケーションを開発している顧客にも提供するという製品だ。
同テクノロジは一部の顧客やパートナー企業のみに提供されていたが、同社は2016年にProject Springfieldの成果を製品化する意向を明らかにし、「Microsoft Azure」ベースのプレビュー版アプリとして公開していた。
Security Risk Detectionは今夏、Microsoft Servicesを通じてAzureサービスとして購入できるようになるという。価格についてはまだ明らかにされていない。Linuxアプリケーションのファズテスト用プレビュープログラムもリリースされる予定だ。
マイクロソフトによると、このAzureベースのファジングサービスは、独自に人工知能(AI)を利用して、仮定したシナリオを提示し、深刻なセキュリティ脆弱性の原因となりうるものを絞り込むことで、脆弱性を特定するという。顧客が社内で開発したソフトウェアや、修正した既存のソフトウェア、オープンソースソフトウェアなどを精査するのに利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。