SAPジャパンが中堅中小企業向けビジネスに注力している。同社にとっては、これまでなかなか入り込めなかった市場だ。果たして、その“本気度”はどうか。
中堅中小企業向けビジネスの進捗を披露
会見に臨むSAPジャパンの牛田勉バイスプレジデント ゼネラルビジネス統括本部長
「中堅中小企業向けビジネスでは、われわれはまだまだチャレンジャー。もっと各種製品やパートナーとの協業、マーケティングの強化を図っていきたい」――SAPジャパンの牛田勉バイスプレジデント ゼネラルビジネス統括本部長は、同社が先頃開いた中堅中小企業向けビジネス戦略についての記者説明会でこう強調した。
SAPジャパンは中堅中小企業向けビジネスの拡大に向け、今年1月に営業組織体制を大幅に強化するとともに、牛田氏の冒頭の発言にあるように、製品ラインアップの拡充やパートナーとの協業およびマーケティングに注力している。
その取り組みについては、4月に開いた会見で説明した。その会見のポイントについては、2017年4月6日掲載の本コラム「SAPジャパンの中堅中小企業向け新戦略は奏効するか」をご覧いただきたい。その際、牛田氏が「SAPジャパンとしてかつてない取り組みだ」と語ったのが非常に印象的だった。それから3カ月余り経った今回の会見は、いわばその後の“進捗報告”を行った格好だ。
牛田氏によると、最近の活動としては、6月にパートナー6社と「案件創出ワークショップ」を開き、最新のデジタルマーケティングの手法や新規営業の獲得手法を共有したという。これについては、今後も定期的に開催していく計画だ。
また、パートナーへの技術支援にも注力。4~6月には合計で40回の技術サポート勉強会を開催し、170社1300人のパートナーが参加した。新規パートナーも増やしている。1~3月に10社を獲得したのに続き、4~6月も同じく10社が加わった。パートナーに関する今後の重点施策としては、「クラウドサービスにフォーカス」「ERP以外の製品も積極的に推進」「全国のエリアをカバレッジ」の3点を挙げた。