調査

ITモダナイゼーション市場、2016年度は「リライト」が台頭

NO BUDGET

2017-08-10 09:56

 ミック経済研究所は8月8日、ITモダナイゼーションソリューションの市場動向に関する調査結果を発表した。

 同研究所発行の「ITモダナイゼーションソリューションの市場動向 2017年度版(更新版)」によると、 ITモダナイゼーションのソリューションSI市場は、2016年度実績が248億6000万円、対前年比100.6%となった。また2017度は、対前年比105.6%を見込む。同市場は、主に3つの手法による開発案件および関連サービスで構成される。

 同調査では、「リホスト」「リライト」などマイグレーション手法別に市場分析している。これによると、リホストは2016年度実績で97億9000万円となり、構成比で72.5%を占めるが、対前年比では94.5%と縮小した。リライトは2016年度実績で31億6000万円、構成比は23.4%だが、対前年比119.7%と伸長した。


ITモダナイゼーションの主要3手法


ITモダナイゼーションソリューションの手法別市場規模推移 (単位:百万円)

 同市場は、COBOL資産のマイグレーションをきっかけに成長し、メインフレームの老朽化に伴う開発案件規模が億単位に大型化してきた。しかし同研究所では、国内メインフレーム市場は縮小しており、大型案件は収束しつつあるとしている。

 リホストは、プログラム言語は変えずに既存のアプリケーションを機能させるものだが、既にリホストを行ったユーザーも、将来的にはプログラム言語を変更するリライトを視野に入れる必要がある。今回の調査でもリライト市場は、メインフレーム向けの「COBOL to Java」の大規模システムに関するものが多いとされている。そのため、技術力の高いSIerほど、売上規模(人月ビジネス)としてリホストよりもリライトを優先的に提案しているという。

 またリホストやリライト以外の手法として、既存システムとプラットフォームはそのまま残し、インターフェースを追加してUIを改良する「リインターフェース/ラッピング」がある。同研究所では、この手法が主にAS/400(RPG)ユーザーを対象としているもので、これらのユーザーは、費用面などを考慮し、同手法で十分だという意識が強いとしている。

 3つの手法全体では、製造業のニーズ向上や、企業合併や外資統合などを背景とした金融業の伸びにより、2017年度は対前年比110.2%と伸びる見込み。

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