「関係性を改めなければ浸透しない」--6年のはたらき方改革で学んだこと - (page 4)

大石 良

2017-08-29 08:00

 筆者は、(事業を展開している)クラウドのメリットを説明するときに「いつでも止められる」と話すことがあります。「いつでも止められる」から「安心して始めやすい」。同じように、会社も「気軽に辞められるから、入りやすい」ということが起きるのではないかと思います。ビジョンに共感し、機会があるうちは一緒にはたらく。何かの理由でそれが叶わない場合はすぐに次にいく。そのような関係性の方が、個人も会社も長期的なメリットの方が大きいように思われます。

 さらに言えば、長くはたらきたいと思えるような環境を提供することは、会社の責任だというのが私の考えです。

途中経過

 われわれのはたらき方改革は道半ばです。はたらき方改革とは、前述した3つの「はたらきやすさ」を徹底的に追求する姿勢に意味があるのであって、どこかで完成したり、満足したりする類いのものではありません。ですが、こうした取り組みを進めてよかったと十分に確信できる証拠はそろっています。

  • 従業員数と退職者数
    4年前は15%程度だった離職率も、今は4%程度まで下落しました。従業員数も順調に増加し、4年間で約60人の非常に優秀なメンバーの採用に成功しています
  • 女性マネージャー
    会社で何か特別なことはやっていないのですが、結果として13部暑中6部署のマネージャーが女性になりました。きちんと「成果をみる」と徹底してきた結果だと考えています
  • 子育てママの活躍
    「リモートワークに一切ペナルティがない」という事実が知られてきた結果、(いままで半ばキャリアを諦めていた)優秀な子育て中の女性にも会社に参画してもらえるようになりました。ウェブ会議中に意図せずお子さんが参加して盛り上がるようなケースもよく見るようになりました
  • 売り上げと利益
    会社ですから、最終的にここが上がらなければどんなに理想的な取り組みも継続できません。われわれはこの取り組みを始めてから、売り上げはほぼ年率40%成長、利益も過去4年で10倍まで拡げることができるようになりました

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