海外コメンタリー

AIの真の成功は「人材をどう扱うか」にかかっている

Steve Ranger (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2017年08月29日 06時30分

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 かつてクラウドコンピューティングがそうだったように、IT分野のスタートアップが次のトレンドになり得る存在として認められるためには、人工知能(AI)という言葉を使うことが必須のようになっている。売り文句に「機械学習」や「ニューラルネットワーク」などのキーワードが含まれていなければ、そのスタートアップは関心を持たれないかもしれない。

 しかし最近では、AIのマイナス面も強調されるようになってきた。億万長者たちが人類の遠い未来を心配する議論を交わしているほか、メディアはAIが生み出す仕事よりも、AIによってなくなる仕事の方が多いのではないかと心配している。

 自動化やAIが台頭した結果、危険にさらされるようになった産業や職種は数多くあるが、IT産業は微妙な位置にあり、AIを使ったツールを作る立場でありながら、自動化によって多くの職が失われる可能性のある産業でもある。

 もちろん、AIの影響を真っ先に感じるのがIT業界の人間であるのは、ある意味で当然の報いだと考える人もいるかもしれない。

 また近年のIT産業が、従業員や従業員のスキルの将来について真剣に考えてきたとはとても言えない。

 過去10年ほどのアウトソーシングやオフショアリングの流行は、短期的には企業の収支によい影響を与えたかもしれないが、業界に入ってくる人材を受け入れる、簡単な仕事をなくした原因にもなっている。クラウドコンピューティングの台頭も、多くのアプリケーションメンテナンスの仕事をなくしてきた。

 AIの普及も同様の影響を及ぼす可能性がある。アウトソーシングの影響に関して頻繁に出てくる不満の1つは、後任をトレーニングするのに必要なスタッフが足りないことだ。そして実はAIの世界でも、AIが仕事をできるようにするためのトレーニングに、多大な人手が必要となることが問題になっている。しかしもちろん、一度トレーニングが終わってしまえば、トレーニングを行う人間は必要なくなる。

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