海外コメンタリー

「Windows 10 Fall Creators Update」がいよいよ10月リリース--新機能をおさらい - (page 3)

Ed Bott (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-09-06 06:30

 「Home」エディションと「Professional」エディションにはSMBv1のサーバコンポーネントは含まれないが、クライアントは含まれている。「Enterprise」エディションと「Education」エディションからは、SMBv1のすべてのコンポーネントがアンインストールされている。

 この変更の副作用として、古くからある「Computer Browser」サービスも削除された。

 以前の機能アップデートで導入された「Windows Defenderセキュリティセンター」にも2つの大きな機能追加が行われた。1つめは「Exploit Protection」で、この機能には、以前は「EMET」(Enhanced Mitigation Experience Toolkit)が持っていた緩和機能の多くが含まれている。


従来EMETで行っていた設定の多くは、ここで行える。

 また、Fall Creators Updateでは、「コントロールされたフォルダーアクセス」と呼ばれるランサムウェア対策機能も追加された。この機能もWindows Defenderセキュリティセンターから制御できる。この機能を有効にすると、Windowsのシステムファイルとデータフォルダには、許可されたアプリしかアクセスできなくなる(データフォルダのリストをカスタマイズしたり、特定のアプリをホワイトリストに追加することはできる)。

 最後は「Hyper-V」の仮想化機能を使って、Microsoft Edgeのセッションをサンドボックス化する「Windows Defender Application Guard」だ。この機能は、(少なくとも)現時点ではWindows 10 Enterpriseエディションでしか利用できない。

HYPER-V

 Windows 10のProfessionalエディションとEnterpriseエディションで、もっとも役に立つ機能を1つ挙げるとすれば、それは「Hyper-V」だろう。この極めて堅牢性の高い仮想化プラットフォームは、今回のリリースでかなりの修正を施されている。

 新たに導入された「仮想マシンギャラリー」を使えば、とにかくタスクを実行したいユーザーが、技術的な設定を細々と行わなくても、用途に合わせて簡単に仮想マシンを作成できる。また一度作成した仮想マシンは、新たに設けられた「共有」ボタンをクリックするだけで.vmczファイルに圧縮され、Hyper-Vが利用できるほかのPCにインポート可能になる。

 デフォルト設定も一部変更されており、今回からチェックポイントがオンになった。これによって、チェックポイントを手動で設定するのを忘れた場合でも、あらゆるVMをロールバックできるようになる。

 また注目すべき最新の機能に、Hyper-Vによる仮想バッテリのサポートがある。バッテリで動作するデバイス上で実行されているVMでこの機能を有効にすると、物理マシンのバッテリの状態をVM内部で確認できる。

よりスマートなストレージ

 かなり時間がかかってしまったが、ようやく「OneDrive Files on Demand」機能がWindowsに組み込まれる。設定には慣れが必要だが、これはそれだけの価値がある機能で、最小限のローカルストレージしか持たないデバイスで大容量のクラウドストレージを扱うのが容易になる。


File On Demand機能が有効になっているかどうかを調べるには、OneDriveアイコンをクリックする。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI を活用した革新的な事例 62 選 課題と解決方法を一挙紹介

  2. セキュリティ

    新入社員に教えるべき情報セキュリティの基礎知識--企業全体を守るための基本ルールを徹底解説

  3. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  4. セキュリティ

    【マンガで解説】なぜ中小企業でも最新のセキュリティ対策を強化しなければいけないのか?

  5. ビジネスアプリケーション

    調査結果が示す、通信業界の「生成 AI 活用」インパクト--成果を達成する 4 つのユースケース

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]