企業セキュリティの歩き方

「運用でカバー」という魔法の言葉--システム部門を悩ますセキュリティでの現実 - (page 2)

武田一城 (ラック) 2017年09月14日 06時00分

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理解されにくいシステム部門の苦労

 しかも、経営層や一般ユーザーは、システムに問題が起こらないことがごく普通のことだと考えている場合が多い。システムの構築や運用に関与していない人は、システムが普通に使えることに、システム管理者の血のにじむような努力がどれほど費やされているかを、想像すらしていないのだ。

 その結果、新しいシステムで以前のシステムより機能や性能で劣るようなことがあれば、システム部門は「多くのコストを無駄に費やした」と戦犯扱いされてしまう。システム部門の責任者の立場は非常に危ういものとなり、現場の担当者は、その改善に向けた緊急対応に追われる。

 だからこそ、大規模なリプレースの場合はどうしてもこれまで通りの安定稼動を重視するコンサバティブな仕様になりがちだ。特に設計レベルで抜本的なセキュリティ対策をシステムに実装しようとすると、システムの安定稼動や性能に大きな影響を与えることが少なくない。そのため、リプレースのタイミングでシステム全体のセキュリティを高めるために大幅な改修を実施することは、例えそれが最適な手段であったとシステム部門が認識していても、そう簡単には実行できないのだ。

 もちろん、これは構造的な課題である。システム部門の人間は、それ以前に、組織の人間だからだ。自分の立場が危うくなるばかりで、自分に全くメリットの無い方法を捨てたとしても、そのことでシステム部門やその責任者が非難されるようなことは、全くの見当外れと言えるだろう。

システムリプレースの成功とセキュリティ対策の葛藤''
システムリプレースの成功とセキュリティ対策の葛藤

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