ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)がデバイス上のディスプレイに依存しなくなる日が近づいてきている。デバイスからディスプレイが消えてしまうこともあるかもしれない。
提供:Joe McKendrick
これはAccentureの主張であり、同社が最近公開したレポートには、次世代のUIやUXがAIの普及とともに浸透していくと記されている。自動運転車や音声起動/応答型ホームアシスタントなどは、ディスプレイを持たないコンピューティングデバイスの先駆けとなる事例と言えるだろう。
これは企業ユーザーの仕事の進め方だけではなく、顧客にも影響を与える。既にさまざまな議論がなされており、従業員の仕事を補助するコネクテッドツールやウェアラブルデバイスの試作品も開発されている。
このレポートの著者らは以下に示す3つの予測を行っている。
- 顧客の半数以上は5年以内に、従来のブランドを基準にするのではなく、AIに基づいてサービスを選択するようになる。
- ほとんどのインターフェースは7年以内に、ディスプレイを必要としないかたちで日々の作業に統合されるようになる。
- デジタルアシスタントは10年以内に普及し、職場での作業を縁の下から支えるようになり、重要な会議の終了直後に動画でのサマリを作成するといったかたちで、従業員の生産性向上に向けて絶え間なく支援するようになる。
Accentureのレポートは、世界各地の企業の幹部5400人以上に対する調査結果に基づいている。同レポートの著者らは、「AIは企業のバックエンドツールになるだけでなく、テクノロジインターフェースという観点でより洗練した役割を担うようになる。人工的な神経回路網によって、コンピュータビジョンを用いた自動運転車から、同時通訳に至るまでのものが実現される。AIはあらゆるインターフェースをシンプルかつスマートにしており、未来のコンピュータインタラクションにおける目標を押し上げている」と記している。
同調査によると、回答者の79%はAIが企業内の至る所でテクノロジの採用に一役買っていると答えている。また、85%は向こう3年間でAI関連のテクノロジに対して大々的に投資することを示唆している。
レポートの著者らは、音声起動/応答システムが、企業のUIとUXに採用される最初のAI応用事例になるとしている。著者らは「自然言語処理と機械学習の進歩によって、テクノロジはより直感的に利用できるようになってきている。会議の予定を立てる際、カレンダーアプリを起動し、空いている時間を見つけ出し、イベントを作成し、詳細を入力するのではなく、バーチャルアシスタントにその旨を告げるだけで済むようになる」と記すとともに、「AIはUXの分野で既にさまざまな役割を担っている。最もシンプルな例として、モバイルアプリの『Spotify』が過去の聴取傾向に基づいて新たな楽曲を提案しているような、ユーザーのためのコンテンツ選定といったものが挙げられる。また機械学習を適用し、最適な成果に向けた行動指針を出すという、より重要な役割も挙げられる」と記している。