Microsoftは米国時間9月25日、フロリダ州オーランドで開催中のITプロフェッショナル向けの技術イベント「Microsoft Ignite」で、同社の人工知能(AI)開発ツール群に新たな「Azure Machine Learning」(AML)ツールを追加したことを発表した。同社はこれらツールを「次世代のAML」と形容している。
これらのツールには、データラングリングや各種の試行を管理するクロスプラットフォーム対応クライアントと同社が述べている「AML Workbench」ワークベンチや、「AML Experimentation」サービス、「AML Model Management」サービスが含まれている。
同社によると、AML Workbenchは既存ツールである「Azure Machine Learning Studio」を補完するものになるという。またAML Workbenchは、「Python」や「PySpark」「Scala」で記述されたモデルをサポートするとともに、「Visual Studio Code」や「PyCharm」といった統合開発環境(IDE)との統合もサポートする。
データラングリングという側面では、Microsoft ResearchのPROSE(PROgram Synthesis using Examples)研究チームによる成果の一部が組み込まれている。同社幹部は、新たなワークベンチにおけるデータラングリング機能の一部が、「Pendleton」という開発コード名のデータラングリングツールによって実現されることを認めている。
同社が1年以上前から社内でテストしてきているPendletonは、データ科学者によるデータの準備やクリーニングを支援するツールだ。このツールは、不正なカラムを除去したり、カラムのフォーマットを変更したり、欠落したデータを処理するといった機能を有している。また、データセット内に含まれているデータをデータ科学者が把握する際に利用できるアナリティクスツールも搭載している。Pendletonは「Microsoft SQL Server」や、「Microsoft Azure」の「Azure Blobs」や「Azure Data Lake」からのデータを読み取ることができる。また、ローカルPC上のファイルも読み込むことができる。
データラングリング機能のほか、同社はVisual Studio Codeと同社のAIサービスを統合するエクステンションである「Visual Studio Code Tools for AI」の提供も開始している。これにより、開発者は「Microsoft Cognitive Toolkit」(CNTK)や、Googleの「TensorFlow」のほか、「Theano」や「Keras」「Chainer」「Caffe2」といった深層学習フレームワークを用いたモデルの構築が可能になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。