分析
こういった選択肢はすべて、データ科学者や開発者に対して、実験や、モデルの訓練、スコアリングの運用といった面でさらなる柔軟性をもたらすものだ。より重要な点として、フレームワーク上での選択肢の豊富さが挙げられる。Microsoftの幹部らは、アルゴリズムを気にする必要はないと述べている。自らのタスクに最適なものを使えばよいのだ。
Dockerはモデルのポータビリティを確保する主な手段となっているが、Microsoftによると、配備自体をコード1行で実現できるほど簡潔なものにしつつ、Dockerのパワーユーザーが配備のチューンアップと微調整を実行できるようにもしているという。
なお、ローカルマシン上に資産を直接展開することも可能だが、トレーサビリティは失われる。ここでの考え方は、任意の規模のワークロードにおけるライフサイクルを最初から最後までサポートし、可視性をもたらそうというものなのだ。これは金融機関や保険会社のほか、予測処理や機械学習、AIモデリングを手がけつつある多くの企業にとって必須と言えるだろう。
Ignite 2017における筆者のポイント
Igniteでは、近い将来に大きなインパクトを与える発表(大規模分散データベース「Azure Cosmos DB」など)や、中長期的な視野で見て大きなインパクトを与える発表(「量子コンピューティング」に関する同社の取り組みなど)がたくさんあった。それらの根底に流れるテーマは選択肢だ。Microsoftはデータ科学者や開発者、データ管理者、ガバナンス担当者から、ビジネスユーザーや同社顧客の顧客に至るまでに対して、クラウド環境やオンプレミス環境、ハイブリッド環境を選ばない極めて幅広い選択肢を提供しようとしている。
今回発表されたものの多くはまだプレビュー段階にあり、そこかしこに埋めるべきギャップが残っている。しかし、筆者は大きな感銘を受けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。