「SharePoint」関連の幹部は5月、Microsoftが「Office」全体での新しい検索体験の提供に向けて作業を進めていると述べていた。Microsoftの幹部は開催中の「Ignite」で、これが具体的にどのようなものを指すことになるのかについて、より詳細に説明した。
戦略の中心となるのは「Microsoft Graph」だ。これは統一的なAPIで、「Office 365 Unified API」と言われていたものだ。
Microsoftの戦略は、企業ユーザーがどこからでも検索できるようにすることだ。SharePointを使っていれば、そこから直接検索可能であり、ウェブを使っている場合はビジネス向けの「Bing for Business」を使うことができる。データ可視化ツールの「MyAnalytics」であれば、その中から検索できる。
SharePointなどに取り組むシニアプロダクトマネージャーのNaomi Moneypenny氏は、ユーザーが自分たちのビジネス要求に適切な情報を検索するために特定のサイトに行く代わりに、検索をユーザーのいるところにもたらすことが狙いだと述べている。
「インテリジェント検索は、ユーザーがどこで作業をしていても実行される」とMoneypenny氏は述べた。「エンタープライズ検索はパーソナルでコンテキストを読み取り、境界のないものだというのがわれわれのビジョンだ」(Moneypenny氏)
内部では、こうした検索はすべて、SharePointやBing for Business、Officeなどのいずれにおいても、同じMicrosoft Graphとそのデータセットを使っている。これを利用するためには、Office 365の管理者は自社向けにこの機能を有効にし、一部または全ユーザーをアクティベートする必要がある。9月25日にプライベートプレビューで提供が開始されたBing for Businessを試用するには、個々の従業員がBing.com/workにログインすれば、あらゆるデバイスやブラウザで自らの業務に関連する結果を得ることができる。
提供:Microsoft
このエンタープライズ検索機能により、Microsoftは「BitLockerを自分の仕事用PCで有効にするには?」といった検索をシンプルにしたいと考えている。ユーザーが自社に在籍する「Jeff」という名前の人物に関する情報を探している場合、この新しい検索サービスは、組織内の「Jeff」の結果を優先的に表示する。
Igniteでは、LinkedInのデータとOffice 365のプロフィールカードの連携についても発表された。人々に関連する情報のエンタープライズ検索を一層強化するものとなる。これは、MicrosoftとLinkedInのデータグラフを連携するという目標に向けた新たなステップだ。
Microsoftは、OfficeやBing for Businessなどで利用できる、よりパーソナライズされた企業向けの検索機能を数カ月中に提供するとのみ述べており、リリース予定日は明らかにしていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。