海外コメンタリー

インテルがニューロモーフィックチップ「Loihi」を開発した理由 - (page 4)

John Morris (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-10-05 06:30

 最初のチップは11月に完成する予定であり、2018年の前半には「AI研究の推進を目的とした、同分野の先端を行く大学や研究機関」とともにテストを実施する計画となっている。Intelはその時までに、データフローグラフを教師あり学習用や教師なし学習用、強化学習用のスパイキングニューラルネットワークとして実行できるようにするための変換処理を容易にするソフトウェアキットを完成させる計画だ。

 Loihiのニューロン数は、もぐらの脳の神経細胞数と同程度であり、比較的小規模なニューロモーフィックチップだと言える。しかし、Intelによるとこのアーキテクチャは、同社の先進的なプロセス技術を活用すれば容易に拡張できるという。Srinivasa氏は「ニューロンやシナプスはすべて同じであるため、それらの数を増やすことを阻む要素は何もない」と述べている。

 とは言うものの、これは現在のところ研究プロジェクトだ。実際、Loihiという名前には、行く手に多くのものごとが待ち構えていることを暗に示す意図が込められているのかもしれない。Lo'ihiはハワイ島の沖合に伸びているハワイ海山群において、唯一の幼年期に相当する海底火山の名称だ。こういった海底火山は、噴火と、溶岩の堆積、浸食という過程を繰り返し、長い年月をかけて島を形成していく。AI分野における次の一大ブレークスルーが、それほど長い時間を必要としないで済むよう願っている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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