Salesforce.comが、リテールバンキング分野をターゲットにした「Financial Services Cloud for Retail Banking」を発表した。
Financial Services Cloudはもともと、システム間の切り替えの必要性をなくして、さらなる資産の獲得や生産性の向上を目指す大企業をターゲットにしていた。また、企業が最も収益性の高い顧客に力を注ぐことができるよう支援するものとされていた。
Salesforceは、リテールバンキング機能を追加し、銀行の顧客対応窓口によりフォーカスした製品を生み出そうとしている。このプラットフォームには、窓口担当者と顧客担当者、ローン担当者などを隔てる縦割りの業務やデータ、技術といった壁を取り払い、銀行の顧客を単一の視点から見られるようにする狙いがある。
このプラットフォームの新機能を活用するカギとなるのは、新しいデータモデルとコンソールだ。学歴や就業状況、保有資産、銀行口座、ローン、本人確認書類など、顧客に関する多くのデータポイントを収集し、銀行員がパーソナライズされた商品を勧めるのに役立つデータを明らかにしてくれる。
さらにこのシステムは、「Salesforce Einstein」のデータサイエンスや機械学習の機能を利用し、顧客が示す関心の傾向や行動に基づくインテリジェントな紹介を行うこともできる。
システム面では、このクラウドと、パートナーのアプリケーションやサービスのエコシステムとの統合が進んでいるとSalesforceは述べている。これによって、銀行はSalesforceのAPIやパートナーが開発した組込機能を利用して、Financial Services Cloudの機能を拡張できるようになるという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。