清水建設は、竣工データを格納する全社共通のアーカイブシステムにファイル軽量化ソフトを採用した。オーシャンブリッジが10月6日に発表した。
清水建設は、工期中の図面や契約書類、現場写真などプロジェクトに関するあらゆる竣工データを作業所ごとに保存していた。しかし、各作業所や担当部署で管理方法が異なっていた。また、プロジェクトに関する過去の情報や当時の書類を参照したいという要望があった。そこで、全社共通の仕組みとしてアーカイブシステムの構築を検討した。
アーカイブシステムの構築に際しては、時間の経過とともにデータ量が増大していくため、ストレージ増設を繰り返すことになりコストがかさむという点が懸念されていた。そこで同社は、候補としていた各ベンダーへの提案依頼書に、「ファイル名や拡張子から明らかに不要なファイルを判別し、自動で削除するプログラムを組み込む」「ファイルそのものを軽量化するツールを組み込む」という内容の要件を明記して検討を進めた。
その結果、ファイル軽量化ソリューション「NXPowerLite」が候補に挙がった。OfficeやJPEG、PDFといったファイルの形式を変えることなく、最大で50分の1に軽量化できるとしている。ファイルサーバに格納されたファイルを一括で処理することも可能だ。ストレージ容量の不足を解消できるほか、ファイル容量が減るためバックアップやウイルススキャン、データ復旧の時間が短縮される。ネットワーク負荷やサーバ移行の負荷の軽減にもつながる。
清水建設では、ファイルを軽量化しても顧客に提供する画像として問題ない品質であると判断した。アーカイブシステムの稼働から半年が経過が経過した段階で、平均30%のデータ削減ができており、アーカイブ用ストレージのデータ容量は計画通りに推移している状況だという。