クラウドコンピューティングへの支出が、予想以上に増加しているようだ。SaaSとIaaSが最も急速な成長を示している。
Gartnerによると、世界のパブリッククラウドサービスの売上高は2017年、前年の2196億ドルから18.5%増の2600億ドルに達する見通しだという。世界IT支出額は3兆5000億ドルと予想されており、その中では小規模だ。一方、エンタープライズソフトウェア分野の支出額は3510億ドルと予想されており、これと比較すると大きな数字だと言える。
GartnerのリサーチディレクターSid Nag氏は、特にSaaSの利用が予想を上回るペースで伸びていると述べた。SaaSは2017年も予想以上に成長しており、パブリッククラウド全体の売上高予測を押し上げているという。

提供:Gartner
SaaSの売上高は2017年、21%増の586億ドルになると予想されている。Gartnerは、SaaS導入の増加は、ソフトウェアベンダーがほぼ全ての新しいアプリケーションの機能やアドオンをサービスとして提供する方針に切り替えた結果だと分析している。また、「SaaSソリューションはより特定の目的に沿ったものとなっており、これまでのソフトウェアよりもビジネス上の優れた成果をもたらしているため、ユーザーにも訴求する」としている。
PaaSの採用についても、これまでの予想を上回っているという。PaaSは今後アプリケーション開発の主要なプラットフォームになると大企業が確信しつつあるためだとNag氏は説明している。
売上高の増加が最も高くなる見通しなのはIaaSだ。2017年に、前年比36.6%増の347億ドルに達するとGartnerは予想している。
Gartnerは、クラウドコンピューティングがますます主流となり、広範なIT支出の中で増加していくとして、2018年以降成長は安定すると述べている。
Nag氏は、「2016年時点で、インフラ、ミドルウェア、アプリケーション、ビジネスプロセスサービスの総市場売上高の約17%がクラウドにシフトしていた。2021年までに、この比率は約28%に増えるだろう」とコメントしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。