2020年に向け大規模データセンター事業拡大へ--シュナイダー

三浦優子 2017年10月17日 12時24分

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 シュナイダーエレクトリックは、日本で展開しているIT事業の新分野として大規模データセンター向け事業、非ITセグメントでのUPS販売、今年9月に発表した新サービス「EcoStruxure IT」を核にしたハイブリッドデータセンター向けサービス、IoTマーケット向け事業の拡大を目指す。

 これまで日本でのIT事業では、中小規模データセンター、ITセグメントに注力してきた。しかし、グローバル企業が日本にデータセンターを開設するケースが増えていることから、大規模データセンター向け事業を強化する。

シュナイダーエレクトリック株式会社 代表取締役 松崎耕介氏
シュナイダーエレクトリック株式会社 代表取締役 松崎耕介氏

 非ITセグメントは、IoT需要などによりサーバ以外の領域での電源保護需要が拡大していることに着目し、この分野向け事業を強化する。

中規模に加え大規模センターに注力する理由

 シュナイダーエレクトリックの代表取締役である松崎耕介氏は、「日本でのIT事業は、中小規模データセンター、ITセグメントに注力してきたが、2020年に向け、大規模データセンター、非ITセグメントを新たな注力領域とする。大規模データセンター向けでは、2016年時点のマーケットシェアの2倍、非ITセグメントではUPSシェアを1.3倍、IoTビジネス2桁成長を目標としたい」と話した。

 シュナイダーエレクトリックは、本社があるフランスで180年以上、日本でも55年前に事業を開始した。現在のビジネス領域は、ビルの電気設備を手がけるビルディングオートメーション、重電分野の電力受配電ソリューション、FAなど産業オートメーション、買収したAPC製品など無停電電源装置(UPS)、ラック用電源タップ、空調などデータセンターソリューションの4領域となっている。同社のIT事業とは、4つ目のデータセンターソリューションを指す。

 シュナイダーエレクトリックのグローバル売上の中で、IoT関連は大きな割合を占めている。「グローバル3兆円の売り上げのうち、45%がIoT関連と高い割合を占めている。日本の売上比率は明らかにできないが、この割合には及ばない。日本でもIoT関連の売上比率を増やしたい」と松崎氏は話す。

 グローバルでのIoTの売上比率が高いのは、ビル、データセンターなどの電源制御を手がけてきた実績から、1997年、現在のスマートメーターの元祖となるようなリモート管理可能な制御機器の販売を開始。これが現在ではIoTソリューションとしてグローバルでは大きく成長するきっかけとなっている。

日本でのIoTビジネス拡大の契機

 日本でのIoTビジネス拡大のきっかけとして日本法人が期待しているのが、9月に発表したIoTプラットフォーム「EcoStruxure IT」。ネットワークにつながる機器、エッジコントロール、アプリやサービス、ビル、データセンター、工場・プラント、電力グリッドなどをトータルで可視化し、分析、管理していくことが可能なソリューションだ。

 IDCが出しているスマートデータセンターに含まれるほぼ全項目をカバーすることが可能で、海外ではこのソリューションに対応した他社製品も含めて、電力量、発熱量などを可視化できる。

 「今年、グローバルな企業調査をまとめた結果、ほとんどの企業が社内サーバ、クラウドサービス、コロケーション、データセンターなどを複数利用するハイブリッド化が進んでいることが明らかになった。ハイブリッド化を進める際の注意点として、個々ではなく、トータルの電力利用量の見える化」と松崎氏は指摘する。

 事例として「日本の場合、例えば東京のデータセンター、沖縄のデータセンターの2つを利用している企業は、個々の環境を把握するまではできている。外資系企業の場合、ここからさらに進んでいて、データセンターを個々に管理するのではなく、1つの画面から全データセンターを可視化しないとおかしいのではないかという要求が上がる。こうした要求に対応するのが、EcoStruxure ITだ」とトータルな管理体制を望むユーザーに対応できるソリューションだと説明。日本でも普及を進めていく方針だ。

 特に今後IoTの導入が進むことで、データセンターに加え、Edgeコンピューティングが増加することが見込まれる。Edgeコンピューティングには、データが消費される場所の近くに置かれるローカルEdge、ユーザーの近くに位置する地域Edgeがあるが、「どこで、何を使っても、使われているトータルな電力量、温度の変化などを他社製品も含め、可視化し、管理できる」という。

 具体的には、Edge向けアーキテクチャであるHyper Converged Infrastructureをサポートし、Nutanix上でPowerChute Network Shutdown 、富士通のHCI管理ソフトISM for PrimeflexによりシュナイダーのUPS/PDUが管理可能になっている。さらに、シスコ、デルEMCなどHCIシステムとの適合性テストが済んでいる。

トータルな電力利用量の可視化が必要な要因

 こうしたトータルな電力利用量の可視化が必要な要因としては、「企業の多くがオフィス内、工場内の消費エネルギー削減に取り組み成功している一方で、データセンターについては逆にエネルギー消費量が増加する傾向にある。データセンターの電力消費についても可視化し、管理することで無駄なエネルギー消費を削減する必要がある」という状況となっているためだと説明。EcoStruxure ITでトータルな電力利用量の可視化を行い、適切な管理を行うことを進めていく。

 大規模データセンター向けビジネスについては、これまで日本では積極的に事業としていなかったものの、グローバルでデータセンター事業を行う企業が日本にデータセンターを開くことが多くなっていることから、これをサポートする事業を進める。

 これまで日本でのシュナイダーエレクトリックのビジネスはパートナー経由がほとんどだが、「グローバルで当社がサポートしている事業者に対し、グローバルで提供しているノウハウが必要となるため、ハイタッチ営業で支援していく」計画だ。

 非IT分野へのUPS導入は、「サーバは高密度化、データセンター、クラウド利用などによって大きく市場が伸びるわけではない。それに対し、これまではUPSを導入していなかった分野でUPS導入が増えてきていることから、非ITセグメントへのUPS売り込みを強化する。

 具体的には国内での事例として、ネットワークカメラのバックアップ用途、ネットワーク機器への電源保護のためにサーバ・ネットワーク・PC間のトータルな電源保護の実現、医療現場で使われるITシステムのための利用、セルフレジのPOSレジと周辺機器の保護、駅務システムの電源保護など、新しい事例が登場している。

 「ネットワークカメラは、これまでUPSなしで利用されてきたが、東京オリンピックに向けてUPSを導入し、データロスをなくして管理を徹底したいといったニーズが出てきている。こうした新しいニーズに向けたビジネスを拡大していきたい」と話している。

下記は発表会の資料

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