NRIと日本マイクロソフトの幹部の見方は
今回のこのメガバンクの動き、日本において企業のデジタル変革時代の到来を象徴するものになるのではないか。筆者はこのニュースを受けてそう強く感じた。
そこで、野村総合研究所(NRI)と日本マイクロソフトが10月30日に「金融デジタルイノベーションコンソーシアム」設立を発表した会見で、両社の幹部に上記の動きの受け止め方を聞いてみた。
まず、日本マイクロソフトの高橋美波 執行役員常務パートナー事業本部長は、「日本が今後、労働人口が減少していく中で、デジタル技術を活用して生産性を維持・向上させていくのは必然の動きだ。さらにデジタル技術を駆使して新たなビジネスを創出していかなければならない。今回の動きはそうした流れを映し出したものと受け止めている」と語った。
また、NRIの横手実 執行役員金融ITイノベーション事業本部副本部長は、「金融機関は以前からさまざまな改革に取り組んでいるが、今回の動きのポイントは、リーマンショックのような外部要因ではなく、大きなトレンドを見据えたうえで自ら舵を切ったところにある。銀行もこれからはお客様に店舗に来ていただくのではなく、店舗の機能をスマートフォン上で利用できるようにして、銀行がお客様にもっと近づいていく必要がある。そうすることで、金融サービスがさらに手厚いものになる。今回の動きはまさしく大きなトレンドにおけるエポックメイキングな出来事だと捉えている」との見解を示した。
デジタル変革時代の到来を象徴するメガバンクのリストラの動きを今後も注視しておきたい。
NRIの横手実執行役員金融ITイノベーション事業本部副本部長(左)と日本マイクロソフトの高橋美波執行役員常務パートナー事業本部長