米ZDNet編集長Larryの独り言

機械学習、IoT、データベースなど多分野で新サービス--re:Inventで見えたAWSのビジョン - (page 2)

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-12-07 06:30

 以下では、AWSの発表について知っておくべきことをまとめる。

 サーバレスが中心に。今回AWSが発表したものの中に、マネージドサービスとして利用できないものはほとんど見当たらない。AWSはAmazonで採用しているワンクリックeコマースのアプローチを、できる限り同社のITインフラにも適用している。2014年のre:Inventで発表された「AWS Lambda」がその始まりだった。今日では、AWSのあらゆるところでこのアプローチが使われている。このことが重要なのは、企業は今後サーバファームではなく、機能やプロセスを設計するようになると見られるためだ。これを実現するのに必要なコンピューティングリソースやストレージよりも前に、データのアーキテクチャについて慎重に検討されるようになる。Vogels氏は、猛烈なペースの製品ロードマップを発表する際、「そのかたわら、わが社はマネージドサービスをリリースしてきた」と述べている。サービスの規模を小さくすれば、利用や導入が容易になる。またそれによって、AWSに対する企業の支出も増えていくだろう。

 あらゆるところに人工知能が導入されている。今回発表されたAWSの新サービスで、機械学習や人工知能とまったく関わりのないものを見つけるのは難しい。同社は絶え間なくサービスを追加しており、今回披露された「Amazon Transcribe」「Amazon Translate」「Amazon Comprehend」「Amazon Rekognition Video」などは、すべてAlexaのバックエンドとして利用できる。AWSは、利用しやすいパッケージにAIと機械学習を追加していくことで、IBMやGoogle、Microsoftに対するマインドシェアを維持しようとしている。また機械学習に関しては、導入を容易にするサービス「SageMaker」が披露されたことも重要なニュースだった。

 データベースの選択肢が豊富になった。誰にとっても、必ず何か気になるものがあるラインアップになっている。特に注目されたのは、グラフデータベース「Neptune」だ。可用性が高く、堅牢で、自動的に複数のアベイラビリティゾーンをまたいでデータを複製でき、データを連続的に「Amazon S3」にバックアップする。注目を集めたほかの発表には、MySQLやPostgreSQLとの互換性を有するリレーショナルデータベースエンジン「Aurora SQL」やNoSQLデータベースサービス「DynamoDB」の新機能などがある。

 AWSはIoTに関する取り組みを加速させている。Jassy氏はIT業界の「バズワード」の中でも重要性が高い「IoT」についても、一連の新サービスを発表した。これには、マイコン(MCU)で動作するデバイス用の新OSも含まれる。

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