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IBMの量子コンピューティングコミュニティにJPMorganなど参加--実用化目指す

Liam Tung (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2017-12-15 11:19

 IBMは米国時間12月14日、商用量子コンピューティングサービスの活用方法を探求するコミュニティー「IBM Q Network」に参加する初の組織や企業を発表した。

 JPMorgan ChaseやDaimler、サムスンなどが初の参加企業となり、IBMの20キュービット(量子ビット)プロセッサを搭載した「IBM Q」システムにアクセスできる。これによって、量子コンピューティングの産業分野などにおける商利用や、科学技術分野での応用に向けた探求を支援していく。

 IBM Q Networkに参加する企業は、20キュービットの同システムを使用できるようになる。このシステムは、90マイクロ秒という記録的な「コヒーレンス時間」を持つキュービットを生成できる。なお、次世代の50キュービットシステムでは、1000兆以上の状態を維持できるようになる。

 IBMは、同ネットワークのメンバーに対して、クラウドからの20キュービットシステムへのアクセスを可能にすることで、量子コンピューティングを実務で活用できるものにしたいと考えている。なお、同社は5キュービットと16キュービットのシステムに対するオンラインアクセスを以前から提供している。

 IBMはこのコラボレーションによって、量子テクノロジを有用なものにするもう1つの重要な鍵となる、より多くのソフトウェアや開発ツールの開発を促進していきたいと考えている。

 このほか、IBM Q Networkに新しく加わるメンバーは、JSR、Barclays、日立金属、本田技研工業、長瀬産業、慶應義塾大学、オークリッジ国立研究所、オックスフォード大学、メルボルン大学などだ。

 JPMorgan Chaseは金融サービス分野における量子コンピューティングの可能性を追求しようとしており、サムスンは半導体分野や電子機器分野での応用を模索しようとしている。またDaimlerは、量子化学による新たな自動車向け素材の開発や、製造工程の最適化問題、車両運行や自動運転車の経路探索などの最適化問題の研究を予定している。

 これらのメンバーは、IBMが50キュービットのシステムを稼働させた暁には、そのシステムにもアクセスできるようになるという。なお、この次世代IBM Qシステムの稼働がいつになるのかはまだ明らかにされていない。同社は次世代システムでハードウェアの改善とコヒーレンス時間の増大を目指している。

 IBMの50キュービットというブレークスルーには、ローレンス・リバモア国立研究所における「IBM BlueGene/Q Vulcan」上での49キュービットと56キュービットの回路シミュレーションも関わっている。このコンピュータは現在、世界で25番目に高速なスーパーコンピュータであり、合計で400テラバイトのメモリを搭載している。

 IBM Researchの研究スタッフであるEdwin Pednault氏の最近の説明によると、49キュービットの回路をシミュレートするには、現代のスーパーコンピュータが搭載しているメモリ容量をはるかに超える8ペタバイトのメモリが必要となるため、不可能だと考えられていたという。

 しかし同氏と他の研究者らは数学的知識を巧みに活用し、こういった回路を4.5テラバイトのメモリでシミュレートできる手法を編み出したという。

商用量子コンピューティング活用探求、IBM Q Network
提供:IBM

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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