デジタルサイバーセキュリティソリューションを手がけるオランダ企業Gemaltoが現地時間12月17日、航空分野や防衛分野、セキュリティなどの事業を展開するフランス企業Thales Groupによる買収提案を受け入れることで合意したと発表した。Gemaltoの株式を1株あたり51ユーロと評価するもので、その規模はおよそ48億ユーロとなる。デジタルセキュリティにおける世界のリーダー企業をつくり上げるとしている。
Thales Groupは同社のデジタル事業をGemaltoに統合する意向だ。Gemaltoは同社のブランドによる操業を継続し、Thales Groupが世界に展開する7つの部門の1つとなる。Gemaltoの最高経営責任者(CEO)Philippe Vallée氏が統合された部門を率いる。
Gemaltoは携帯電話向けのSIMカードなどを提供するほか、銀行向け認証ソリューションや公的機関向けのアイデンティティおよびアクセス制御ソリューションなども手がけている。暗号化サービスやクラウド関連のセキュリティサービスを含む、企業向けのセキュリティを手がける部門のほか、IoT分野の事業も有している。一方Thales Groupは航空や防衛、宇宙、運輸といった分野に注力するとともに、サイバーセキュリティ事業も展開している。
Thales Groupは、過去3年にわたってデジタルテクノロジにより大きな力を注いでおり、コネクティビティやサイバーセキュリティ、データアナリティクス、人工知能(AI)などに投資してきたと述べている。Thales Groupは、Gemaltoとの統合によってこの戦略が大きく加速され、5つの垂直市場をまたがるデジタル製品が拡充されるとしている。
Gemaltoの取締役会は、ITサービスを手がけるフランス企業Atosが現地時間11日に提案した1株あたり46ユーロでの買収を、評価額が低すぎるとして拒否していた。