ボックスジャパンはIBMと共同開発した業務プロセス自動化機能「Box Relay」の提供を12月21日から開始した。従来の業務プロセス管理システムが抱えていた、管理の難解性や利用者の利便性、定型作業の自動化が困難といった企業内の業務プロセス改善を目的とする。
クラウドストレージサービス「Box」のアドオンとして提供するBox Relayは、Box上に保存したファイルを対象に、営業部や経理部などに代表する非IT部門での書類回覧や承認を自身で定義、実行することで、IT部門のサポートを必要とせず、業務プロセスを簡便にする。
手順はウェブインターフェースで設定し、進捗状況は同サイトで確認可能。Boxアカウントを所有していれば、組織外の関係者も参加できるため、社内外の連携もできる。サービスプランとしてBusiness Plus以上の契約者を対象に、利用シート数ごとの料金とBoxコンサルティングサービスの購入が必要となる。
米TechValidateが2016年7月に実施した調査結果によれば、「従業員が週に50件以上の定型作業を行う」割合は73%。「半日以上を定型作業に費やしている」割合は45%。「メールに頼った定型作業を行う」割合は91%と日常業務における定型作業の負担は大きい。
Microsoft SharePointなど定型業務を軽微にするツールは多数存在するが、利用時はIT部門管理や異なるアプリケーションを使う利用者側の負担も発生する。また、利用現場の需要に応じる小回りも利かず、現場は各種ツールを駆使して対応しているが、その結果は属人的となり応用性を欠いてしまう。

ボックスジャパン パートナー&テクノロジー SE部 部長 石川学氏
このような観点から“クラウドコンテンツマネジメント(CCM)”を自負するBox上で統一感を持ち、定型作業を効率化するのがBox Relayの役割だ。
ボックスジャパン パートナー&テクノロジー SE部 部長 石川学氏はBox Relayを「全体を統合した形で業務環境を提供できる」のが最大の特徴だと語る。例えば定型作業内で弁護士など、社外の法務部門に法的文書の確認が必要な場面を想像してほしい。
従来であれば、ファイルをダウンロードした後、メール添付などで弁護士に送付していただろう。だが、Box Relay利用時は弁護士がBoxアカウントを取得し、業務プロセスに送付タスクを組み込むことで、一連の定型作業をノンストップで実行できる。

Box Relayで実現する業務プロセスの流れ
Box Relayは専用のウェブページから管理し、「タスク」「ワークフロー」「テンプレート」の3機能からなる。タスクはユーザーが割り当てられた作業内容を指す。ワークフローで任命されたユーザー自身が行うべき処理を示し、例えば、経費精算というワークフローがある場合、ユーザーは経費計算書と領収書をスキャンとアップロードを指示される。