収益を意識したIT改革を実践中--ライザップの岡田取締役

怒賀新也 (編集部) 2018年01月04日 07時30分

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 1990年代からユニクロの躍進を支えた元ファーストリテイリングの岡田章二氏が、2016年11月に、ボディメイク事業を中心に展開するRIZAPグループに入社、取締役に就任、IT施策などを担当する事業基盤本部本部長としてその身を転じた。それから1年。既にさまざまな施策を打ち、社内では絶対的な信頼を得ているという。

 タレントなど有名人が、数カ月間で数十キロのダイエットを成功させたことを独特な音楽に載せてアピールするテレビコマーシャルで知られる同社。業績も右肩上がりを維持しており、それを支えるのが現在20人ほどで構成する情報システム部門だ。その岡田氏に、RIZAPにおけるIT展開について話を聞いた。

RIZAPグループの岡田章二氏
RIZAPグループの岡田章二氏

 「急成長する企業においては、業務変革やITなどの事業基盤の整備は最も重要で、成長ステージに入ったRIZAPグループのニーズと一致した」と話す岡田氏。

 「RIZAPのビジネススタイルは“結果にコミット”で知られる通り、結果から入る点が珍しい。根本的、本質的な議論を重ねており、現場を入口にしている」(岡田氏)

 機械学習および人工知能(AI)、ビッグデータ、IoTなどの先端テクノロジをRIZAPのサービスに導入したり、事業基盤となる情報システムの刷新を構想しており、さまざまな仕組みを構築していく計画だが、大前提としてインフラやコミュニケーション基盤、顧客管理基盤などの事業基盤を強固にする必要があった。

 入社1年で既に、データセンターのクラウド化、顧客関係管理(CRM)基盤の整備のためにSalesforceの「Marketing Cloud」「Service Cloud」「Analytics Cloud」を導入した。GmailやGaroonなどのツールからOffice 365への移行も実施。

 さらにチェーン店舗の管理に課題があったことを重視。情報共有基盤整備の中で、本部と店舗間のコミュニケーションに特化したツールであるドリーム・アーツの「Shopらん」の導入も進めてきた。また、社員の携帯もiPhoneに統一し、店舗で利用する端末も1000台ほどのiPadに切り替えた。

 Shopらんには、岡田氏が考えるチェーンストアオペレーションにおける情報共有の基本的な考え方が、ほぼすべて入っていたとのこと。

 「情報共有の責任は伝える側にある」(同氏)。相手(現場)が理解するまで、あらゆる手段を使って伝えなければならない。また、きちんと伝わったかまで、現場確認しなければならないと指摘する。

 Shopらん導入前は、違う掲示版ソフトを利用しており、情報を掲載するまでが仕事となってしまっていた。店舗の社員が実際に情報を閲覧したかを確認する手段がなかった。Shopらんでは、店舗のスタッフによる既読の確認が取れる点、店舗側は通達の評価までできるなどの利点がある。分かりにくい通達や、意味のない指示に対しては、容赦ない評価が店舗から寄せられる。本部と店舗が相乗効果を持って、情報伝達の効率を上げていく仕組みが実装されているのである。

 これは、ShopらんがSaaSであることで、導入各社の意見を多く取り入れて、柔軟に機能に反映できることが背景にあるとのこと。もともと、ファーストリテイリング時代の岡田氏とドリーム・アーツの山本社長の会話から、Shopらんの開発が始まったとの裏話もある。

 今後、RIZAPグループの事業基盤は、デジタル化とグループシナジーにつながる事業基盤の投資を積極的に行っていく。デジタル化は、顧客のトレーニング情報をはじめ、点在するデータを1つのデータベースに集約することから始まる。食事、トレーニング、身体計測などで得たデータを分析することで、一歩踏み込んだサービスを顧客に提供できるという。

 例えば「3D BodyScan」というサービスでは、体重と体脂肪を計測指標化している現状の常識を大きく変える事になると岡田氏は強調。身体の変化を3Dで可視化するとともに、身体のさまざまな部分を数値化する。当然、人が計るより正確で、計測結果からオーダーメードの服をつくる事も可能だ。グループのアパレル事業と連携したサービスの構築も考えている。

 岡田氏は普段、片方の腕が0.5センチ長いため、それに合わせてオーダーメードのワイシャツを作っているとのこと。3D BodyScanは、ほぼ同じサイズをリコメンドした。また、3Dで自分のおしりの形などを把握した上で、理想とする形をシミュレートし、それを実現するための具体的なトレーニングメニューなどを作成することもできる。このように、収益化を前提に、イノベーションを意識して開発を進めているのが特徴だ。

 RIZAPグループはスキャンニングなどの技術を応用することで、ボディメイクにとどまらず、ゴルフ事業では技術上達のため、英語事業では英語力向上など、あらゆる具体的なサービスにつなげられる環境を整備しようとしている。


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