調査結果では、少なくとも回答者の76%が、アプリケーションの一部が、従来のIT部門やITサービス企業以外で開発されたと答えている。実際、シチズンデベロッパーによる活動を抑制しようとしている企業は16%にすぎず、4分の1以上がまったく方針を定めていなかった。また回答者の42%は、所属企業ではIT部門以外によるアプリケーション開発が許されていると答えており、積極的に奨励されているケースもあった。そのようなケースでは、IT部門はトラブルが起きた場合の対処や、支援の提供、インフラの円滑な運用のためにその活動を支援する。
シチズンデベロッパーが盛り上がっている理由は、スピード感にある。シチズンデベロッパーが自分で開発をするのは、IT部門は個別の要望に素早く応えられないと感じているためだ。IT部門は多くの場合、エンタープライズアプリケーションを安定運用させ、安全性を保つための作業に忙殺されている。回答者の3分の1近くが、IT部門がアプリケーションを提供するスピードに不満を感じている。シチズンデベロッパーは、大規模なIT部門よりも早くアプリケーションを実現できる。彼らは必要なアプリケーションを、数週間から長くて2カ月ほどで仕立て上げてしまう。完成までにかかる時間が3カ月を超えると回答したのは、わずか17%にすぎない。
また企業の3分の1は、トレーニングやプラットフォームを提供するなどして、シチズンデベロッパーを積極的に支援している。ただしほぼすべての回答者は、まだ多くの課題があると認めている。企業役員やそのスタッフは、ある程度のプログラミングスキルを持っているが、4人に1人強は、プログラミングについてまったく知識がない。シチズンデベロッパーによる開発が抱える課題には、データのセキュリティや、適切なプログラミング技術の習得、データの取り扱いなども含まれる。
企業は、IT部門以外で開発されたアプリケーションを受け入れている。また技術に詳しい従業員が、自分たちが何を必要としているかを知っており、仕事を前に進めるために、適切な技術を素早く手に入れて展開できることを理解している。
(情報開示:筆者はこの調査の設計と分析を行ったチームに参加した)

提供:HubSpot
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。