デルとHP、バグを含むインテルの「Spectre」向けパッチの提供を停止

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-01-25 10:48

 DellとHPがIntelの忠告に従って、脆弱性「Spectre」に対処する同社のパッチを含むBIOSアップデートの適用を停止した。そのパッチには、バグが含まれているからだ。

 Intelは米国時間1月22日、予期せぬ再起動が発生することを理由に、同社のマイクロコードとファームウェアアップデートの適用を停止するよう勧告した。それを受けて、世界最大のPCメーカーであるHPは「Meltdown」およびSpectreに関するアドバイザリを更新した


 Intelは15日、「Variant 2 Spectre」(「CVE-2017-5715」)向けの同社のパッチが「Broadwell」および「Haswell」CPUを搭載するシステム上で安定性の問題を引き起こすことを認めた。さらにその後、それと同じ問題が「Kaby Lake」および「Skylake」CPUにも影響を及ぼすことを認めている。

 HPは23日、Intelのパッチを含む「Softpaq」BIOSアップデートを自社のウェブサイトから削除した。25日には、Intelの旧バージョンのマイクロコードを含むBIOSアップデートをリリースする予定だ。

 IntelはHPやDellなどのOEM向けに、再起動を引き起こさないマイクロコードアップデートの準備を進めている。このマイクロコードアップデートには、Variant 2向けのパッチは含まれないが、「Variant 3 Meltdown」と「Variant 1 Spectre」向けの緩和策はそのまま残される。

 その一方で、同社はBroadwellとHaswell向けに完全で(願わくば)安定したパッチも開発しているが、これは今もOEMと協力してテストが行われている段階だ。Kaby LakeとSky Lake向けの新しいマイクロコードアップデートは、その後にリリースされる予定である。

 「Intelがマイクロコードアップデートを再リリースした後で、HPは改訂版のSoftpaqを提供する予定だ」(HP)

 更新されたDellのアドバイザリによると、同社はIntelが新しいファームウェアをリリースしてから、新しいBIOSアップデートを公開する予定だ。

 「Dellはすべてのユーザーに対して、Spectre(Variant 2)脆弱性向けBIOSアップデートを今は適用しないよう呼び掛けている。われわれは、影響を受けるBIOSアップデートを既にサポートページから削除済みで、現在、Intelの新しいマイクロコードを含む新しいBIOSアップデートをIntelと共同で開発しているところだ」(Dell)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  2. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

  3. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

  4. 運用管理

    「新リース会計基準」の対応ポイントをチェック、4月実装の固定資産奉行V ERPクラウドの新機能も

  5. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]