オープンソースはネットワーキングを変革しつつある。2011年に「OpenFlow」技術が登場し、ハードウェアではなくソフトウェアによるネットワーキング機能の向上が可能であることが示されて以来、オープンソースはネットワーキングプロジェクトの未来を切り開いてきている。ただ、問題が1つだけあった。オープンソースネットワーキングプロジェクトの数があまりにも多いのだ。現在運営されている10大オープンソースネットワーキングプロジェクトのうち、9つを擁するThe Linux Foundationはもう十分だと判断した。その結果、これらコミュニティーが集結して「LF Networking Fund」(LFN)を結成し、プロジェクト間でのコラボレーションを推進していくことになった。
The Linux Foundationの指揮下において、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)やネットワーク仮想化技術(NFV)に向けたビジョンを調和させるために、Open Networking Automation Platform(ONAP)、Open Platform for NFC(OPNFV)、OpenDaylight、FD.io、PNDA、Streaming Network Analytics System(SNAS)などの著名なオープンソースネットワーキングプロジェクトが一致団結する。
ただ、これらのプロジェクトは1つの大きなオープンソースネットワークプロジェクトに統合されるわけではない。これらのプロジェクトはネットワークスタックにおけるさまざまな領域において、あまりにも多くの異なったニーズに応えているため、それには無理があったのだ。
The Linux Foundationによると、LFNの役割は「これらプロジェクトの間だけでなく、エコシステム内における関連プロジェクトや関連コミュニティーとの間の、より良いコラボレーションを推進する道を提供することであるため、統合された運営機構としてLFNを作り上げる」のだという。LFNは、プロジェクトをまたがったコラボレーションを促進するためのプラットフォームとして機能することになる。
The Linux Foundationにおいてネットワーキングとオーケストレーション担当ゼネラルマネージャーを務めるArpit Joshipura氏は、「The Linux Foundationの『Cloud Native Computing Foundation』(CNCF)を手本として、LFNは多くの場面で既に連携が実施されているネットワーキングコミュニティーに類似の結束力をもたらそうとしている。LFNのプロジェクトはこの5年間でネットワーキングのイノベーションを劇的に加速させてきており、今後の数十年に向けてかつてないペースでのデータネットワーキングの進歩をもたらそうとしている」と述べた。
LFNの下、各プロジェクトでは既存の目的に基づいた自治運営が継続されるとともに、技術的な独立性や、コミュニティーの結束、ロードマップのリリース、ウェブ上のプレゼンスが維持される一方で、統合された運営委員会を通じ、メンバープロジェクト間で人材や財源が共有されることになる。
LFNの長期的な目標は、データプレーンからコントロールプレーンに至るまで、そしてオーケストレーションやオートメーション、エンドツーエンドのテスティングまでの、ネットワークスタックを通じたコラボレーションの基盤を形成するというものだ。
LFNは変革をもたらすために必要な、企業および開発者コミュニティーのサポートも得ている。
The Linux Foundationは、LFNによってプロジェクト間の相乗効果をさらに高め、オープンソースネットワーキングの普及を加速させるとともに、すべての関連テクノロジに関するコミュニティーの作業をさらに緊密にしていきたい考えだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。