4.事業に合ったプロバイダーを選択する
英国の大手百貨店House of FraserのCIO、Julian Burnett氏は、ITリーダーとしてのこれまでのキャリアで、すべての主要なクラウドプラットフォームを利用した経験がある。同氏はSainsburyでAmazonを利用し、John LewisではGoogleを、現在の会社ではMicrosoftのクラウドを利用している。House of Fraserは、社内向けのすべての技術をOffice 365のプラットフォームに移行し、Azureも利用している。
Burnett氏は、クラウドの選択基準について「これらのプラットフォームについて語るときには常にいくつかの要因が問題になる」と述べている。Amazonは「素晴らしい」ものの、同社を選択する際には、潜在的な事業の競合に注意する必要があるという。例えばAmazonは、クラウドプロバイダーであると同時に小売業者でもあることが障害になるかも知れない。
Burnett氏は、何人かのGoogleの幹部と近い関係にあり、同社のプラットフォームは優れていると考えているという。「彼らは非常に思慮深く、単なるコンピューティングインフラではない方向に進んでおり、データのためのインフラやビッグデータの処理プラットフォームを作ろうとしている。私は長年にわたってその軌跡を見てきた」と同氏は話す。
しかし、今の事業にとってはMicrosoftが正しい選択だと同氏は言う。「Azureは効果的で、費用対効果が高い、規模の拡張性に優れたコンピューティングプラットフォームを提供している」と同氏は話す。「当社は最近、Azureのビッグデータ関連の機能について時間を取って調べたが、それも有意義だった。全体的に見て、当社がクラウドに必要としている機能に関して言えば、3大プロバイダーの中でAzureが劣っているところはない」
5.可能な限りクラウドを利用する
人材紹介会社AirswiftのCIO、Brad Dowden氏は、同社のエンタープライズアプリケーションの95%でクラウドを利用している。AirswiftはMicrosoftのクラウドサービスのヘビーユーザーだ。同社は「Dynamics 365」とOffice 365を使っており、電子メールにもクラウドを利用している。
Dowden氏は、「OneDrive」と「SharePoint」への社内データの移行も進めた。その結果、専用データセンターで社内向けのアプリケーションを維持管理する従来のアプローチと決別することができたという。
「当社は、物理的なオンプレミスのストレージをまったく持っていない」とDowden氏は言う。「クラウドに移行し、Azure上で動かしているレガシーシステムもある。それらのアプリケーションには寿命があることが分かっており、クラウド上で廃止させることになるだろう」
Dowden氏は、クラウドに乗せていない唯一のデータは、法的な制約からローカルの保存する必要があるものだけだと述べている。「これらについては、ローカルでデータを保持するためにファイルサーバを使っている」と同氏は言う。「しかしそれを除けば、すべてのデータはクラウド上にあって同期されており、ユーザーはモバイルデバイスからあらゆるデータにアクセスできる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。