日本労働組合総連合会は2月21日、人工知能(AI)が職場にもたらす影響に関する調査結果を発表した。調査は、2017年12月15〜19日の5日間、インターネットリサーチによって実施され、全国の20歳以上の働く男女1000人の有効サンプルを集計した。
調査結果によると、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の仕事が変わっていくと思うかを聞いたところ、「変わる」が65.6%、「変わらない」が34.4%となり、AIによって自分の仕事が変わると考えている人が3人に2人の割合に上ることが分かった。
業種別では、「変わる」と予想した人は、情報通信業で74.6%、医療・福祉が73.8%、製造業は73.5%、飲食店・宿泊業が73.5%、公務等が71.2%と高く、金融・保険業は67.7%、運輸業も68.3%と7割近くになった。一方で「変わらない」と予想した人の割合が他業種と比べて高かったのは、不動産業の47.1%と卸売・小売業の47.0%だった。
「今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の仕事が変わっていくと思うか」の図(出典:日本労働組合総連合会)
AIの導入・活用によって、仕事における自分の身体的・精神的等の負担がどうなると思うかを聞いた質問では、「楽になる」が43.5%、「変わらない」は49.5%、「負担が増える」は7.0%となり、AIの導入によって自身の負担が減ると予想する人も半数近くいることがわかった。
た。また、AIを使って仕事をしたいかどうか聞いた設問では、「AIを使って仕事をしたい」が42.6%、「AIを使わない仕事をしたい」は27.3%となり、AIを使って仕事をしたいという人が多数となっている。
一方で、AIの導入・活用で自分の労働時間がどうなると思うかを聞いたところ、「増える」が11.2%、「変わらない」は62.3%、「減る」は26.5%となり、AIが導入されても、自身の労働時間に変化はないと考える人が6割以上となった。また、自分の賃金はどうなると思うか聞いた質問では、「増える」が9.5%、「変わらない」が66.7%、「減る」が23.8%と、賃金に変化はないという人が多数派となった。