積極的に情報デザインを行おう
冒頭で書いたように、日常生活の中では多くの情報のやりとりが起こっている。常に適切に情報デザインを行うことを心掛ければ、生活全体のUXが向上する、と言っても過言ではない。情報デザインはあらゆるUXデザインの基本の一つでもある。情報デザインの技術にも多くの経験が必要なので、さまざまな種類の情報、さまざまな量の情報を、さまざまな条件・制約の下で伝える機会を積極的に持つようにするとよい。
昨今ではさまざまな形で情報発信を行うことが可能なので、そういう場もぜひ活用してほしい。伝えられる側に立ったときにも、充分に観察したい。
情報を伝える技術が向上することで、情報を受け取る能力も向上し、結果として生活全体のエクスペリエンスも向上するであろう。そしてそれは、周囲の人々のエクスペリエンスも向上することにつながる。
- 綾塚 祐二
- 東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修了。ソニーコンピュータサイエンス研究所、トヨタIT開発センター、ISID オープンイノベーションラボを経て、現在、株式会社クレスコ、技術研究所副所長。HCI が専門で、GUI、実世界指向インターフェース、拡張現実感、写真を用いたコミュニケーションなどの研究を行ってきている。