九州大学と富士通は4月12日、人工知能(AI)を活用した農業生産の共同研究を開始したと発表した。独自の植物機構モデルをAIエンジンに組み込み、成長速度や収穫時期などをリアルタイムに予測する。研究期間は2018年4月~2020年3月。九州大学 伊都キャンパス内のスマートハウスで実施する。
共同研究では、九州大学の植物生体計測・評価技術に富士通の画像処理技術を取り入れる。カメラで植物の画像データを取得し、成長を示す草丈、葉数、節間長、茎径などの状態を自動で計測する技術を開発する。また、計測データと九州大学の植物機構モデルを組み込んだ富士通のAIエンジンにより、植物の品質や目標とする収穫時期に向けた最適な環境条件を導き出す。これにより、生育状況に合わせて環境を制御する仕組みの実現を目指す。
共同研究のイメージ図(出典:九州大学、富士通)
富士通は、共同研究の成果をもとに、農事業グループ会社での活用や効果検証、農業向けソリューションとしての製品化を目指すとしている。また九州大学では、スマート農業教育を実施し、成果の普及や人材の育成に積極的に貢献していくという。