三菱ふそうとDaimlerが展開するテクノロジ戦略 - 16/16

西中悠基 (編集部)

2018-04-26 06:00

 三菱ふそうトラック・バス(三菱ふそう)は4月25日、「FUSO Digital Forum」を開催した。三菱ふそうと親会社のDaimlerが開催した報道関係者向けのイベントで、三菱ふそうを含むDaimler Trucks Asia(DTA)のテクノロジ戦略や、その具体例が語られた。


FUSO Digital Forum

 まず、DTAが進める「Connected X」戦略について、DTA・三菱ふそう最高情報責任者(CIO)のルッツ・ベルク氏が語った。同氏は、「(イノベーションに)破壊される側でなく、(イノベーションで)破壊する側になりたい」と述べ、DIAが取り組むコネクテッド化などのデジタル化について説明。「テクノロジの進歩は始まっており、それを生かすのはわれわれ次第だ」(ベルク氏)。ブロックチェーンやドローンにも可能性があると言及し、「Connected Xを展開し、テクノロジ・リーダーとなっていく」と語った。

 三菱ふそう IT本部プロセス&イノベーションチームのサラ・マルコン氏は、日本マイクロソフトの田澤孝之氏とともに、「Microsoft HoloLens」を使用したデモンストレーションを披露。マルコン氏は、このデバイスが長い旅の一歩に過ぎず、Daimler全体が描く「複合現実プラットフォーム」という大きなビジョンがあると語り、「このプラットフォームは全く新しい考えであり、われわれしか考えていない」と述べた。「このプラットフォームにより、仕事の仕方を完全に変える『破壊』ができると思う」と、将来ビジョンへの期待をあらわした。

 また、三菱ふそう DTA品質マネージメント本部長のマイケル・モビウス氏と、デロイトトーマツコンサルティング 執行役員のアジャイ・バスデバン氏は、「顧客満足度、品質、イノベーションでナンバーワンを目指す」と、DTAの戦略について語った。

 「トラックを作るのは難しいことではない。しかし、品質のいいトラックを作ることは課題が多い」とモビウス氏。この点についてはビッグデータを活用し、事故を未然に防ぐ「トラックコネクト」を紹介する。加えて、「イノベーションを起こし、最先端で行かねばならないことが極めて重要な業界だ」と、ビッグデータを活用した品質管理の重要性について説明した。

 三菱ふそう ITインフラ部長の中村圭吾氏と、ホートンワークスジャパン 社長の廣川裕司氏は、DTAにおけるデジタルプラットフォームの戦略について語った。廣川氏は、テクノロジの進化が速く、もともと自動車に関わっていなかったテクノロジ会社が、自動車業界に参入している現状に対し、「われわれもテクノロジを取り込んで活用していくことが重要」だとした。

 また廣川氏は、HoloLensの導入やトラックコネクトのような事例において共通するのは、デジタルなプラットフォームが求められる点だと指摘。中村氏は、現時点で想像できない技術が出てくる可能性もあり、それらを総合的に活用できるプラットフォームとして、クラウドプラットフォームを採用、データプラットフォームのマーケットリーダーであるHortonworksのソリューションに決定したという。また廣川氏は、2020年に10万台のトラックを「トラックコネクト」にするほか、全ての工場を「つなげる」と、DTAの目標を語った。

2020年には10万台のトラックを「つなげる」ほか、全ての向上もコネクテッド化するという。

2020年には10万台のトラックを「つなげる」ほか、全ての向上もコネクテッド化するという。

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