アイデアを思いつくのは簡単だが、そのひらめきをビジネスとして成功させるのは難しい。
Cass Business Schoolが発表した新しいレポートによれば、多くの企業は、新しいアイデアを生み出すことには大きな問題がないが、新たなビジネスモデルを実現したり、優れたアイデアを自社の目標に転換することは苦手としているという。
VMwareがスポンサーとなって実施されたこの調査では、イノベーションと実行の間のギャップが大きいことが明らかになった。この記事では、3人の専門家から、そのギャップを埋めるためのヒントを聞く。
下手な鉄砲も数を撃てば当たる
Cass Business Schoolのテクノロジおよびイノベーションマネジメントの責任者を務めるFeng Li教授は、今や、あらゆる分野にデジタル化による市場破壊の可能性があり、企業は常にビジネスを変革し続けなければならなくなっていると話す。
「企業がより機敏になるに従って成功も増えるが、新しいアイデアを市場に届けるという観点では難しさも増す」とFeng氏は言う。「アイデアは多いが、状況を一変させるような概念は珍しい。アイデアを生み出し始めることと、それらのアイデアを適切な形で市場に出す際の現実の間にはギャップが存在する」
Feng氏は、創造性に関する困難の多くは、定義を誤解していることで生じていると述べている。同氏は、多くの従業員は依然として、イノベーションとはまったく新しいものを生み出すことだと考えていると話す。「ほとんどのものは既に存在している。イノベーションとは、既存の局面を横断する新たな価値を生み出すことだ」と同氏は言う。
幸い、昨今の企業は、これまでになく多くのアイデアにアクセスできるようになっているという。賢明な経営陣は、それらのアイデアを柔軟に取り込み、適応させている。成功する可能性が高いのは、幅広い領域に渡って新たなビジネスモデルを開発している、動きの速い企業だ。
従って、既存の業務の変革に力を入れるよりも、中核事業で得られたキャッシュを、社内および社外のベンチャー事業に投資すべきだとFeng氏は言う。同氏はビジネスリーダーに対して、幅広く実験を行うように勧めている。