Red Hatは米国時間5月8日、サンフランシスコで開催した「Red Hat Summit 2018」で、同社の「Red Hat OpenShift」エコシステムに「Kubernetes Operators」を加えると発表した。これにより、OpenShift上で動作する、テスト/検証済みのKubernetesアプリケーションを調達するための容易な手段が独立系ソフトウェアベンダー(ISV)にもたらされる。
Red Hatは、CoreOSの買収にともなってKubernetes Operatorsを獲得した。Kubernetes Operatorsは「Kubernetes API」を拡張した、アプリケーションに特化したコントローラだ。Kubernetes Operatorsにより、複雑なステートフルアプリケーションのインスタンスを生成し、設定、管理できるようになる。またKubernetes Operatorsを用いることで、Kubernetesアプリケーションの管理における「人間の知識」を取り込み、ソフトウェアに組み込めるようになるため、一般的に難しいとされているKubernetesの配備や管理がより簡単になる。
オープンソースのツールキットである「Operator Framework」を用いて開発されたKubernetes Operatorsは、複雑でステートフルなKubernetes向けアプリケーションを構築する際に立ちはだかる障壁の除去に役立つ。これにより、OpenShiftに対応したKubernetesが稼働するどのクラウド環境でも「期待通りに動作する」サービスが実現できる。
ローンチの時点で60社を超えるソフトウェア企業がOperator Frameworkイニシアチブに賛同の意を表明している。クラウドネイティブなアプリケーションの開発と維持は簡単ではない。これには初期ビルドの最中に多大な複雑さに取り組む必要があり、サイロ化されたクラウドのフットプリントをまたがって維持していく必要もある。Operator Frameworkは、こういったKubernetesアプリケーションのパッケージ化と配備、管理を容易にすることを目的としている。
Kubernetesプログラムは、Kubernetes APIとkubectlツールを用いてKubernetes上に配備され、管理される。Kubernetes Operatorsは、複雑なものごとを取り除くとともに、人間が持つ運用上の知識をアプリケーション内にコード化できるようにすることで、アプリケーション開発を容易にする。その結果、成果物であるサービスは、人の介入を必要とせずに動作できるようになる。
サービスのこうした自動化は、Kubernetesの機能をクラウドサービスとして動作させる際にも活用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。