IBMは、2018年3月に自社イベント「Think」で発表していた「IBM Cloud Private for Data」(ICP for Data)をリリースした。同社によれば、この製品は単なるデータウェアハウス機能だけでなく、高度なデータサイエンスやデータエンジニアリングを支援できる統合プライベートクラウドプラットフォームだという。この製品は、コンテナアプリケーションプラットフォーム「Red Hat OpenShift」でネイティブに動作するクラスタでも利用できる。
ICP for DataはIBMのさまざまなツールやプラットフォームを組み合わせ、「Kubernetes」でオーケストレーション可能な、クラウドネイティブなコンテナやマイクロサービスを中心としたアーキテクチャで利用できるように再設計したものだ。
この製品は、データウェアハウスとして機能する同社のデータベース「Db2」を始めとして、さまざまなデータストアと連携させることができる。これには、最近リリースされた、大量のイベントドリブンデータを処理できるように設計されたプラットフォーム「IBM Db2 Event Store」も含まれており、IoTデバイスやエッジデバイスへの接続にも適している。さらに、いくつかのサードパーティが提供するオープンソースデータベース(「MongoDB」や「EDB Postgres」を含む)にも対応している。
また、IBMのデータ管理製品やアナリティクス製品のポートフォリオが持つ機能や、新たなクラウド指向のガバナンス機能やデータサイエンス機能も取り込んでいる。データサイエンティストやデータエンジニア向けには、モデルの管理や展開が可能な同社の「Data Science Experience」(DSX)の機能や、データ加工を行う「Data Refinery」の機能などが用意されている。また、「IBM InfoSphere」の「Information Analyzer」や「DataStage」が持つデータのプロファイリングやETLの機能も利用できる。ビジネスインテリジェンスのワークロードを扱っているビジネスアナリスト向けには、ワークスペースのダッシュボードとして「IBM Cognos」のDDE(Dynamic Dashboard Embedded)が提供される。さらにガバナンスのための機能として、企業で使われる語彙やセキュリティ、アクセスポリシーを含むデータカタログや、データリネージ機能なども備えている。
サードパーティエコシステムも用意されている。リリース時点では、MongoDBやEDB Postgresが統合可能であるほか、パートナーとして、アナリティクス企業のDatameerや、Aginity、Lightbend、NetApp、Portworx、Tataの名前が挙がっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。