仮想化バックアップからクラウドに拡大するVeeam Software、バックアップ分野では後発だが、先に開催した年次イベント「VeeamOn 2018」ではデータ管理の5ステージを打ち出すなど、追う立場からリードする立場にメッセージを変えた。
実際、顧客は30万に達しており、総受注額は8億ドルを上回っているという。VeeamOnの会場で、共同CEO(最高経営責任者)兼プレジデントを務めるPeter McKay氏とエンタープライズ戦略担当バイスプレジデントのDave Russell氏に話を聞いた。

Veeamの共同CEO、Peter McKay氏(右)とエンタープライズ戦略担当バイスプレジデントのDave Russell氏(左)。Russell氏は以前はGartnerのアナリストだった
ーー2018年、総受注額10億ドルの目標を掲げている。その次の成長はどう見ているのか? どこから来るのか?
McKay氏:約2年前に共同CEOに就任したとき、社内で目標が10億ドルと言われていた。すぐに到達することは分かっていたので、それだけにフォーカスしないようにした。そこで”2022年に22億ドル”という目標を打ち出した。われわれは短期的ではなく、長期的に考えている。
長期的な視野での投資において最も大切なのは人だ。開発、セールス、マーケティングとあらゆる部門の人に投資している。Veeamは36%増で成長しているが、これは3年で2倍ということになる。チームが成長しなければ実現できない。
新規採用も力を入れている。新たに採用する人は外部から新しい考え方を持ち込んでくれ、一緒に成長してきた人と新しい成長を支える人がうまく交わることでさらに成長できる。
また、チャネルとエコシステムにも長期的視点で投資している。われわれの成長に欠かせないパートナーであり、共に成長したいと思っている。ハードウェアベンダーを対象としたアライアンスパートナーシップはその一例だ。単に技術レベルの提携では上手くいかない。市場戦略をどうするのか、両社のチームによる深いレベルの協業を進めなければならない。パートナーがVeeamを理解してビジネスを構築してもらうのは時間がかかる。
このように、長期にわたって成長するための意思決定を今後も行う。顧客と長く付き合える信頼関係を構築する必要がある。これを社内でも呼びかけている。
ーー2017年、最大の挑戦は何だったのか?
McKay氏:2017年の最大の課題は、ビジネスが急速に成長するにあたって、スキルにギャップがあり、これを埋めることだった。開発、営業、マーケティング、執行などすべての面で、人材、スキルに投資する必要があった。企業が小さい時は、1人が複数のことをやるが、大きくなるとより専門性が重要になる。内部の人をトレーニングするか、外部の人を採用するか……。
実はVeeamの共同CEOに就任してから2年間、仕事の75%を人に関することに注いできた。ギャップはどこにあるのか、強みはどこで強化する必要があるのはどこかを割り出して、特定の分野についてスキルを高めることを進めてきた。この取り組みは継続しており、2018年末には2019年にさらなる成長のために必要な体制が整う。30%レベルの成長を維持する方法は、チームのスキルを上げていくことだ。