日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)が発表した「第9回JCSSA景気動向調査」の結果によると、IT企業の77%が「人材不足」だと回答した。プロジェクトマネジャーやセキュリティ、開発、保守運用人材の不足感が出ていることが分かった。
同調査は、JCSSA会員の193社を対象として、5月に実施された。調査方法はインターネット調査で、有効回答数は148社となっている。
「人材不足の状況」については、「多少」「おおいに」を合わせると77.0%にも上り、およそ8割の企業で人材不足に悩まされていることが分かった。不足している人材が最も多かったのは「プロジェクトマネジャー系」の56.1%で、次いで「セキュリティ系」(47.4%)、「開発系」(46.5%)、「保守・運用系」(43.0%)が4割台で並ぶ。
また、今後不足が予想される人材の分野については、「情報セキュリティ系」(60.8%)が最も多い。5割を超えたのはこのほか、「人工知能(AI)系」(56.8%)、「IoT系」(51.4)。
さらに、人材不足の解決方法については、「中途採用の拡充」(87.7%)、「新卒採用の拡充」(61.4)となった。次いで、「働き方改革による生産性の向上」(45.6%)で解決するとの回答が多かった。
同調査では景況感判断のDI値を集計している。「現状の景況感DI」は69.0と前回比で2.6ポイント改善した。一方「半年前との比較DI」は50.6と6.7ポイント後退、「半年後の見通しDI」についても、45.3と同7.1ポイント後退という結果となった。
景況感の変化に対して、ややネガティブな見方に傾きつつあるが、「次期設備投資DI」については、6.6ポイント上回る48.6、「賃上げDI」については、今回唯一2桁に乗せ、14.3ポイント増の70.9を記録した。また「賞与DI」も5.9ポイント増の49.3、「中途採用DI」についても8.7ポイント増の51.4を記録した。