松岡功の一言もの申す

IBMはIT業界のディスラプターになり得るか

松岡功 2018年06月21日 10時30分

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 ディスラプター(破壊者)は業界外ではなく業界内の既存企業にあり――。IBMが全世界1万3000人の経営者を対象に行った調査で、こんな結果が出たことを明らかにした。ならば、IBMはIT業界のディスラプターになり得るか。

写真1:日本IBMのElly Keinan代表取締役社長
写真1:日本IBMのElly Keinan代表取締役社長

日本法人社長が語る「既存企業から起こるディスラプション」

 日本IBMが先頃都内ホテルで開催した自社イベント「Think Japan」。その基調講演でスピーチを行った同社のElly Keinan社長が、企業のIT活用における大きなトレンドの1つとして、「既存企業から起こるディスラプション」を挙げた。これは果たしてどういう意味か。同氏は次のように説明した。(写真1)

 「それぞれの業界に劇的な変化をもたらすディスラプターは、これまで業界外からやってくると考えられてきた。しかし、IBMが毎年全世界の経営者を対象に行っている調査では、同じ業界で先進的な取り組みを行っている既存企業こそがディスラプターになり得ると見ている割合が非常に高まっていることが分かった。その割合は、2015年で29%だったのが2017年には72%に急増した。この数字が、既存企業から起こるディスラプションを物語っている」(写真2)

写真2:「既存企業から起こるディスラプション」の説明
写真2:「既存企業から起こるディスラプション」の説明

 この調査結果は非常に興味深い。例えば金融業界では、さまざまな金融サービスにグローバルなデジタルプラットフォーマーやFinTech企業が参入し、銀行をはじめとした既存の金融機関を脅かすのではないかと見られてきたが、この調査結果からすると、むしろ既存の金融機関の間で競争が激しくなるかもしれないということだ。

 なぜ、そうなるのか。Keinan氏はその理由をこう説明した。

 「ポイントは使えるデータだ。インターネットで誰もが検索できるデータは、実は20%に過ぎない。逆に言うと、80%は外部からアクセスできないデータだ。なぜ、アクセスできないのか。それぞれの企業が所有しているデータだからだ。人工知能(AI)を駆使するこれからの時代は、それが個々の企業の競争力に直結する。したがって、今後はディスラプションが既存企業から起こる可能性が大いにある」

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