誰がこんな展開を予想しただろう。「Windows」と「Linux」といえば、水と油のような関係だった。しかし近年になって、MicrosoftはLinuxを受け入れるようになっており、特にサーバとクラウドでそれが顕著である。そして、Windowsのシェル言語「PowerShell」が「Ubuntu」のSnapとして、Linuxで使えるようになった。
Snapはコンテナ化されたソフトウェアパッケージだ。Snap内のプログラムは、あらゆる主要なLinuxシステムに修正なしでインストールできる。それが可能なのは、開発者がプログラムの最新ライブラリをコンテナ化したアプリケーションにバンドルするためだ。例えば、Snapを利用することで、「PowerShell Core」をFedoraやopenSUSE、さらにCanonicalのUbuntuにインストールできる。
新たにオープンソース化されたPowerShell Coreは、1月よりLinux、「macOS」、Windowsで利用可能になっている。しかし、アプリケーションを昔ながらの「rpm」や「deb」などのパッケージで提供するのは簡単でないため、Linuxディストリビューション向けに提供するのは容易ではなかった。
PowerShellは「NET Framework」上に構築されたタスクベースのコマンドラインシェルとスクリプト言語であり、MicrosoftはPowerShell Coreがハイブリッドクラウド管理用のユビキタスな言語になることに期待している。システム管理者やパワーユーザーが、複数のOSの管理、そしてそれらOS上で動作するアプリケーションに関連するプロセスの管理を、素早く自動化できるようになっている。
これにより、Linuxのシェル言語として最も人気が高く、現在はクラウド管理にも使用されている「Bash」とPowerShellが競合することになる可能性があるのは興味深い。Microsoftは、「Windows Subsystem for Linux」によって、LinuxをWindowsにもたらした。しかし実際には、PowerShellが「Windows Server」にとって最良であり、BashがLinuxサーバにとって一番のシェル言語であることに変わりはないかもしれない。
MicrosoftのPowerShell担当プログラムマネージャーであるJoey Aiello氏によれば、Microsoftは「https://packages.microsoft.com/で提供している、当社の従来型スタンドアロンLinuxパッケージも引き続きサポートする」意向である。
Microsoftは、テスト段階のバージョンを試してみたいユーザー向けに、「PowerShell Preview」も公開している。個別のSnapとして提供しているため、安定したバージョンとプレビュー版を同時に稼働させることもできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。