Googleはカリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Google Cloud Next '18」カンファレンスの初日にあたる米国時間7月24日、「Cloud Services Platform」という新たなクラウドプラットフォームを発表した。同プラットフォームは、複数のクラウドサービスファミリを統合したものであり、オンプレミス環境に依然としてワークロードを抱えている企業に向けた製品となっている。
同プラットフォームは簡単に言うと、ITリソース(オンプレミス上のリソースと、「Google Cloud Platform」(GCP)上のリソース双方を含む)を、開発や管理、統制という観点で一貫性ある枠組みに置くというものだ。その目的は、リソース管理にまつわるクラウド環境とオンプレミス環境の間の典型的なトレードオフ(例えばアジリティとセキュリティ間のトレードオフ)を克服することにある。
同プラットフォーム上で提供されるサービスには、オンプレミスで利用可能な、同社のマネージド型「Kubernetes」環境「Google Kubernetes Engine」(GKE)も含まれている。
オンプレミス環境で利用可能なGKEである「GKE On-Prem」は近日中にアルファ版の提供が開始される予定だ。GKE On-Premを使うことで、顧客はGCPとオンプレミスをまたがる複数のクラスタの統合管理や、監視の一元化、プロフェッショナルサービスおよびサポート、ハイブリッドなアイデンティティ管理やアクセス管理を手にできるようになる。
GKE On-Premに加え、新たなCloud Services Platformには、まもなくアルファ版となる「GKE Policy Management」が搭載される。このサービスによりKubernetesの管理者は、すべての登録クラスタに対して自動的に同期されるポリシーを一元管理できるようになる。また、同プラットフォームには「GKE Serverless」アドオンも含まれている。このアドオンを使用することで顧客は、サーバレスワークロードをGKEに1ステップで配備できるようになる。
Cloud Services Platformには開発者向けツールも搭載されている。「Cloud Build」は完全マネージド型の継続的インテグレーション/継続的デリバリ(CI/CD)プラットフォームだ。
Cloud Services Platformには、マネージド型の「Istio」サービスも搭載されている。IstioはGoogleが立ち上げを支援したオープンソースのサービスであり、開発者がベンダーに依存することなく、クラウドプラットフォーム上でさまざまなマイクロサービスのネットワークを管理できるようにするものだ。このマネージドサービスはアルファ版となっており、これにより顧客はGKEクラスタ内におけるサービスを管理できるようになる。
Cloud Services Platformは、Istioインフラや「Google App Engine」上での稼働を必須とするワークロードに向け、「Stackdriver Service Monitoring」を提供する。この新サービスにより管理者は、すべてのマイクロサービスとそれらのやり取りをリアルタイムで把握できるようになる。
GoogleはCisco Systemsといったパートナー企業と連携しており、Cisco Hybrid Cloud Platform for Google Cloudが8月に一般提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。