市場調査会社Gartnerは米国時間8月1日、世界のIaaS市場に関する調査結果を発表した。Amazon Web Services(AWS)がトップの座を維持している一方、Microsoftは「Microsoft Azure」で猛追している。
同調査によると、世界のIaaS市場は2016年の182億ドルから、2017年には29.5%増の235億ドルへと成長したという。クラウドサービスに移行するデータやアプリケーションは増加し続けており、Gartnerは最近、2025年までに自社の従来型データセンターを閉鎖する企業が80%に達するという予想を発表している。なお、こうした企業の割合は現在、10%にすぎない。
2017年のIaaS市場ではAWSがトップの座を維持し、その後にMicrosoftとAlibaba、Google、Rackspaceが続いている。
GartnerのリサーチディレクターであるSid Nag氏は、クラウドコンピューティングを利用する企業において、クラウドコンピューティングの支出額はIT予算全体の20%以上を占めるようになっており、クラウドサービスは本番環境や、中核的な業務に利用されていると述べている。
IaaS市場において統合が進むなか、大手4社が売上高シェアの大半を占めている。AWSとMicrosoft、Alibaba、Googleのシェアを合計するとIaaS市場全体の4分の3近く(73%)にもなり、IaaSおよびIUS(インフラストラクチャ・ユーティリティ・サービス)を合わせた市場では47%になっている。

提供:Gartner
世界のIaaS市場において、AWSの2017年の推定売上高は122億ドルとなっており、前年比にして25%の伸びを示し、独走状態を維持している。Gartnerによると、従来型のデータセンターからクラウド上のIaaSへ移行している顧客や、デジタル変革プロジェクトに取り組んでいる顧客が、AWSの売上高を押し上げているという。
しかしMicrosoftもAzureサービスで猛追しており、2017年の売上高を31億ドルとほぼ倍近くに増やしている。また、Alibabaは3位の座を守っている。Gartnerは、AlibabaのR&D分野における投資が実を結んでいると述べている。
Gartnerは「Alibabaはこの勢いを持続させ、世界展開に向けて投資していく財政的な能力を有しているため、やがては特定地域において、世界規模のハイパースケールクラウドを提供するプロバイダーに取って代わるだけの可能性を秘めている」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。