最近増えている拡張現実(AR)/仮想現実(VR)の利用事例の1つに、B2B企業の営業がある。
これらの技術が解決しようとしているのは、物理的な製品やソフトウェア製品が複雑すぎて、顧客がその有用性を完全に理解できないとき、どうやってそれを売り込むかという古くからある問題だ。
では、B2Bの営業チームは、長く複雑な営業サイクルの中で(その過程で、重要な製品情報が伝わらないまま終わることもある)、どのように意思決定者に必要な情報を伝えればよいのだろうか。
この問題に対して、バーチャル空間を利用した製品の説明を行えるARやVRを使ったデモは、驚くほど効果的なソリューションになり得る。 そしてこの技術は、今やB2B営業キットの重要なツールになりつつある。
マーケター向けの技術的な記事を提供しているサイトMarTechの記事で、同サイトの記者Paroma Sen氏は、「ただ、さまざまなAR/VR技術を使って製品を鮮やかに示すことができるだけでなく、製品の体験を鮮やかに、潜在顧客企業の複数のユーザーや利害関係者に提供できるところを想像してほしい」と述べている。「これは、営業サイクルを何日も、あるいは何週間も短縮できる可能性があるだけでなく、実際に製品を現場に持ち込むことなく、潜在的なユーザーに、製品を使った感触を感じさせることができる」
Kaon Interactiveは、グローバルなB2B企業にマーケティングや営業のための3Dアプリケーションを提供している企業の1つだ。同社はもともとオンラインゲームを手掛けていたが、LenovoやSiemens、Ricohなどの企業のためにAR/VR体験を構築する業務に転換した。
あるKaonの担当者は電子メールの中で、筆者に「GE HealthcareやBio-Radの営業マネージャーは、トレードショーや商談の場に巨大なMRIの実機を運ばなくても、自分のスマートフォンでその製品を(細部に至るまで)見せるだけで済む」と語ってくれた。