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ガートナーが説く「クラウドセキュリティにおけるユーザーの責任」

松岡功

2018-08-10 11:00

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、米GartnerのNeil MacDonaldリサーチバイスプレジデント兼最上級アナリストと、SAPジャパンの高山勇喜SAP Customer Experienceソリューション事業本部長の発言を紹介する。

米GartnerのNeil MacDonaldリサーチバイスプレジデント兼最上級アナリスト
米GartnerのNeil MacDonaldリサーチバイスプレジデント兼最上級アナリスト

「クラウドセキュリティの失敗は大半がユーザー側のミスである」
(米Gartner Neil MacDonald リサーチバイスプレジデント兼最上級アナリスト)

 ガートナー ジャパンが先頃、「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメントサミット2018」を都内で開催した。冒頭の発言は、このイベントで講演するために来日したクラウドセキュリティのエキスパートである米GartnerのNeil MacDonald氏が、スピーチの中で強調していたものである。

 「クラウドセキュリティの現状:2018年」をテーマに講演したMacDonald氏は、まずGartnerの調査による図のグラフを示し、クラウドプロバイダー側に起因するセキュリティ侵害を懸念しているか、という質問に対して「A.常に懸念」と「B.やや懸念」を合わせた回答が8割超になったことを説明。この結果に対し、同氏は「実際にはプロバイダー側に起因するセキュリティ侵害などほとんどなく、クラウドセキュリティの失敗は大半がユーザー側のミスである」と指摘した。

図:クラウドセキュリティにおけるユーザー調査の結果(出典:ガートナー ジャパン)
図:クラウドセキュリティにおけるユーザー調査の結果(出典:ガートナー ジャパン)

 その背景については、「Gartnetの調査では、パブリッククラウドサービスのプロバイダーにおいてセキュリティインシデントが発生したケースは少なく、サービス損失も部分的にとどまっている場合がほとんどだ。むしろ、ユーザー側がデータファイルを不適切に共有しているケースが多く見受けられる」と説明した。

 その上で、同氏は「クラウドセキュリティの問題は、クラウドが安全かどうかではなく、ユーザーがクラウドを安全に使用しているかどうかがポイントだ」と説いた。

 では、ユーザーがクラウドを安全に使用するためにはどうすればよいのか。同氏はその重要な対策の1つとして、「クラウドに穴を開けてはならない」ことを挙げた。どういうことか。「まず、企業の内部データにおいてインターネット共有を許可しないこと。そして、IaaSやSaaSを利用する際は、データファイルのオープン共有を許可しないように設定することが肝要だ」としている。

 同氏はさらに、企業のIT担当者にはクラウドセキュリティならではのスキルを身に付けることが求められると指摘。クラウドセキュリティならではのスキルについては、次のように説明した。

 「これまでのファイアウォールなどの物理的な対策ではなく、クラウドセキュリティは一層ソフトウェアデファインドのスキルが必要になる。つまり、セキュリティ担当者は必要に応じて自らプログラミングして対策を講じるスキルが求められるようになる」

 改めてMacDonald氏の講演は全体を通じて、クラウドセキュリティにおける責任の多くがユーザーにあることを説いていたのが印象的だった。

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