顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得

第4回:獲得ステージ編--本当に必要なリードを見極めるための入力フォームを考える

草皆直人 (24-7)

2018-08-24 07:00

 前回はウェブサイトに集客するステップでやるべきこと、考えるべきこととして、ペルソナとカスタマージャーニーについて紹介しました。今回は、ウェブサイトに集客した後、見込み客(リード)の情報を獲得するステップを取り上げます。質の高いリードを獲得するために用意しておくべきコンテンツ、またリードを分類しやすくするために収集するべき情報などについて解説していきます。

リードを獲得するために用意しておくべきコンテンツ

 ウェブサイトに集客した訪問者をリードとして獲得するためのコンテンツを用意します。既に「問い合わせフォーム」や「資料請求」を用意しているという人も多いでしょうが、それだけでは不十分です。

 なぜなら、カスタマージャーニーのステップのうち、認知段階や検討段階の場合は、まだ製品・サービスに関する問い合わせや資料請求をしたいというところまで関心が高まっていないことがほとんどだからです。

 リード獲得においても、ペルソナとカスタマージャーニーに合わせた方法を用意しておくべきでしょう。

 例えば、認知段階とは、課題があるがその解決策についてはまだ定まっていない状態です。課題を解決するようなコンテンツで集客したら、さらにその情報を深く理解するための資料を用意しておきます。そして、そのウェブページにアクセスする、あるいは資料をダウンロードするために、リード情報の入力を求めるようにすることで、リードを獲得できます。

 こうした場合に有効なものとして、基礎的な情報をまとめた入門ガイド、複数のコンテンツをまとめた大全、用語を整理した用語集、情報を整理するためのフォーマット例・フレームワークなどがあります。呼び方は、PDF資料、ホワイトペーパー、Eブックなどさまざまですが、ダウンロード資料の場合は、見やすいようにデザインも工夫するといいでしょう。

さまざまなリード獲得のためのコンテンツ

 最近はリード獲得の手段として動画も注目されています。動画の一部を公開しておき、その続きを見るためには、リード情報の入力を求めるものです。最近は、BtoB企業(法人相手の事業を展開する企業)であっても、スマートフォンからアクセスするケースも増えています。スマートフォンでPDFを閲覧するとき、専用アプリが必要だったり、文字が小さすぎたりと不便を感じたことはないでしょうか。スマートフォンの場合は、動画の方が最適化しやすいということから、動画をリード獲得の手段に取り入れる企業が増えているのです。

 他には、セミナーの申し込みもリード獲得として有効な手段です。セミナーの内容によって、認知・検討・決定のそれぞれの段階のリードを獲得することもできます。少人数のセミナーであれば、セミナー終了後に営業担当者から課題や既存の施策を聞き出すといったフォロー方法も取れます。

 なお、注意が必要な獲得手段として、プレゼントキャンペーンがあります。商品を豪華にすれば数多くの応募があるでしょうが、ペルソナ以外の応募者が増える傾向があります。自社で出版した書籍をプレゼントとする場合などは有効なリードを獲得できる可能性が高まりますが、ギフトカードや商品券などの金券類は注意が必要です。

リード獲得フォームに含めるべき内容

 リード獲得のフォームに含める項目は、その後のリード選別(リードクオリフィケーション)に影響してくるので、しっかりと検討しましょう。

 ポイントは、ペルソナと合致しているかどうかを判定できる情報を取得することです。メールアドレス、氏名、会社名、電話番号を基本として、どのような情報を付加するか検討します。

 例えば、24-7の場合は、「IT系企業に勤務」「中小企業の経営者または決済権あり」などをペルソナの属性としています。そこで「業種」「役職」などの情報を取得するようにしています。

 以上のように、「あらかじめ設定したペルソナに合致しているかどうか判断できる」情報を確実に取得できるように、入力フォームを設計しましょう。これが分からないと、「リード情報」がたまるものの、次の適切なアクションが取れなくなってしまい、さらに別の施策で情報を収集することになってしまいます。

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