アームは8月22日、デバイスからデータまで一貫して管理できる“業界初のエンドツーエンドなIoTプラットフォーム”をうたう「Arm Pelion IoT Platform」の国内での提供を開始した。
Arm Pelion IoT Platformの構成
Arm Pelion IoT Platformは、さまざまな組み込み機器で採用されているARMプロセッサや「MBED OS」によるデバイス管理機能に加え、2018年6月に発表した英Stream Technologiesの買収によって獲得した「IoTコネクティビティ管理テクノロジー」をベースとするコネクティビティ管理機能と、2018年8月3日に発表した米Treasure Data買収によって獲得し「データマネジメントプラットフォーム」をベースとするデータ管理機能の三本柱で構成される。
Arm IoTサービスグループプレジデントのDipesh Patel氏
概要を説明した英Arm IoTサービスグループプレジデントのDipesh Patel氏は、「IoTデータ単独ではそれほど大きな価値はない。ユーザーの行動など、他のデータと組み合わせて分析することで知見が生まれる」と指摘し、Treasure Data買収によって同社のエンタープライズ・データマネジメント・プラットフォームを獲得したことの意義を明確にした。
続いて登壇したTreasure Dataの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)で、現在は英ArmのIoTサービスグループ データビジネス担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務める芳川裕誠氏は、Treasure Dataがこれまで手がけてきた「エンタープライズDCP(Customer Data Platform:カスタマーデータプラットフォーム)」の意義について説明した。
Arm IoTサービスグループ データビジネス担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーの芳川裕誠氏
同氏は、現在さまざまな産業分野で台頭している「Digital Disruptors(デジタルの破壊者)」によって既存企業の多くが「Digitize or Be disrupted(デジタル化するか、さもなければ破壊されるか)」という選択を突きつけられている現状を踏まえた上で、Digital Disruptorsの強みを、「データ解析に裏付けられた徹底した顧客理解」にあると指摘した。
そこで、既存企業が自社で保有している顧客データを、「Arm Treasure Data eCDP」を用いて解析することで始めてDigital Disruptorsらと対等に競争するための準備が整うとした。元々はデジタルマーケティングを想定した顧客データ解析プラットフォームとして提供されているeDCPをIoTプラットフォームに組み込むことにより、IoTによって得られるデータと顧客データを組み合わせた知見抽出が実現する。
Arm Treasure Data eCDPの活用例
なお、発表会にはソフトバンクグループ 取締役 兼 ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 CEOの宮内謙氏や、Treasure Dataの国内顧客であるジョンソン・エンド・ジョンソン、SUBARU、ソニーマーケティングの各代表者も参加し、Treasure Dataのソフトバンググループ入りのお披露目も兼ねた形となった。